トライアンフ スクランブラー1200 新型に“初跨り”…オフロード性能を極めた脚の長さ実感

トライアンフ スクランブラー1200 新型
トライアンフ スクランブラー1200 新型全 12 枚

トライアンフから新型『スクランブラー1200XC/XE』が発表された。10月24日にロンドンで開催されたワールドプレミアから、現地レポートをお届けする。

アドベンチャーモデルを凌駕するオフロード性能

以前からティーザー告知されていたとおり、伝統のバーチカルツイン搭載のネオクラシカルかつ本格的なオフロード走行も可能なデュアルパーパスモデルとして登場した。エンジンはボンネビルT120系のハイトルク型の水冷並列2気筒をさらにチューニングして最高出力で12.5%アップとなる90psを発揮。

スタンダードモデルの位置付けとなる「XC」は オンロードとオフロードの両方で優れた走行性能を発揮する設計であり、上級モデルの「XE」はさらに高次元のオフロード性能を実現したエクストリームバージョンとなっている。
トライアンフ スクランブラー1200 新型トライアンフ スクランブラー1200 新型
最新の電子制御が投入され、特に「XE」にはオフロードプロを含む6種類のライディングモードや、路面状況に応じて介入度を自動的に最適化するコーナリングABS&トラクションコントロールを装備。両モデル標準装備としてトルクアシストクラッチやクルーズコントロール、キーレスイグニッションなどの他、世界初のモーターサイクル内蔵型GoPro制御システムやターンバイターンナビゲーションシステム、Bluetooth接続で通話や音楽も楽しめる機能を装備するなど、先進的かつラグジュアリー感溢れる仕様となっている。

現地のプレス発表会でもトライアンフの開発陣がことさら強調していたのがオフロード性能だ。それを証明するように、フロント21インチタイヤに前後フルアジャスタブル式サスペンション(フロントはSHOWA、リヤはOHLINS)を標準装備。ホイールトラブル量は「XE」ではなんとエンデューロモデル並みの前後250mm(XCでも200mm)という異例のロングストロークが与えられている。まさにクラシカルな外観にアドベンチャーモデルを凌駕するオフロード性能を秘めた新時代のスクランブラーの誕生である。

60年代の面影を残しつつ現代的にアレンジ

トライアンフ スクランブラー1200 新型トライアンフ スクランブラー1200 新型
実車を目の前にしてまず感じたのは全体的なクオリティの高さ。新型TFTフルカラーディスプレイや特徴的な右2本出しマフラー、アルミ製ロングスイングアームなど各部の作りが丁寧でグレード感がある。光沢のあるメタリック調のフューエルタンクも溶接跡のないシームレスタイプとし、前後フェンダーにもブラシ仕上げのアルミ素材を採用するなど60年代のオリジナルスクランブラーの面影を投影しつつ現代的にアレンジされたフィニッシュの美しさが印象的だった。

オフロード性能を追求しているということで気になるのが足着き性だ。実際に跨ってみたところ、身長179cmの筆者で「XC」は軽くヒザが曲がる程度(シート高840mm)。「XE」に関しては少し踵が浮く感じ(同870mm)だった。サスペンションのストロークは長いが乗り心地はしっとり感があり、ライダー乗車時の沈み込み量も多いため数値以上に足着きは良いと思えた。

ハンドル位置は現行の「ストリートスクランブラ―」より高めで、完全にスタンディング対応のライポジになっていることからもオフロード走行を本気で想定した作りになっていることが分かる。こうしたスペック面からも注目したい一台である。

日本への導入時期や価格については未定だが、来春辺りが有望と見られる。

トライアンフ スクランブラー1200 新型トライアンフ スクランブラー1200 新型

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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