「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」を起動、室屋義秀と佐藤琢磨がトークショー開催

「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」メンバーとなった室屋義秀(左から2番目)と佐藤琢磨(右から2番目)
「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」メンバーとなった室屋義秀(左から2番目)と佐藤琢磨(右から2番目)全 11 枚

スイスの高級時計メーカーであるブライトリングは10月30日、日本モータースポーツ界を代表するアスリートで構成される「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」を結成したと発表。これに参加する3人のメンバーのうち、室屋義秀と佐藤琢磨が都内でそのトークショーを行った。

メンバーはエアレース、INDYレース、MotoGPを代表する3名で構成

ブライトリングはこれまで、エアロアクロバティックやトライアスロン、映画、探検など様々な分野のプロチームに対し、情熱や目標やミッションを分かち合い、一体となって活動するサポートを行ってきた。その先には分野こそ違えど、誰もがそれぞれの世界のトップと目されている選り抜きのメンバーであるという共通点がある。「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」は、その一環として新たに構成されたものだ。

「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」に参加する3人のメンバーとは、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップに参戦している室屋義秀、世界最高峰のレースと言われるF1とインディカー両方に参戦している佐藤琢磨、15歳からMotoGPに参戦している中上貴晶だ。この日のトークショーはブライトリングの新作発表記者会見の場で開催。中上がレーススケジュールの関係で欠席となったが、室屋と佐藤の二人が登壇した。

トークショーは二人が初めて出会った昨年のエアレース最終戦インディアナポリスでの話題から始まった。すでに2人は『ヨシさん』『琢磨さん』と互いに呼び合っているという。でも室屋は現在44歳、佐藤は41歳。若干、室屋の方が年上ではあるが、これについて室屋は「F1レーズ時代から見ていたので(佐藤への)リスペクトも込められているんです」と明かした。

インディアナポリスでの対面はTV番組の収録で実現したわけだが、室屋にとっては昨年インディ500決勝で日本人として初めて優勝を果たした佐藤が応援に来てくれたことは特別なことだったはず。二人揃って煉瓦のフィニッシュラインにキスをする映像が映し出されると、室屋は「年間チャンピオンに輝いた時は数奇な運命みたいなものを感じた」という。

互いのフィールドで“未体験ゾーン”を思い知る

それ以降はプライベートでも互いに行き来する機会が増え、それぞれのフィールドでの体験もし合ったりもした。

その中で室屋が一番衝撃的だったのはブレーキングでのGだったという。エアの世界では飛行中で急激なブレーキングはあり得ない。室屋にとってはまったく未体験な世界だったのだ。他にも「カーブ中に段差を乗り越えた時に発生する横滑りをヨシさんが怖がるので、面白くなって何度も攻めまくりました」(佐藤)という裏話も。これについて佐藤は「僕たちはプロアスリートでもあると同時にエンターテイナーですから、お互いの世界を見てもらいたいと思ったんです」とその時の思いを明かした。

一方、佐藤が「仕返しされた」と話すのは室屋の操る飛行機に乗った時。普通の人だったら絶対にやらない空中での5回転を体験させられたのだ。室屋は「レースで強烈なGを体験している琢磨さんだからやった」と話したが、それに対して佐藤は「レースでは最大でも5Gぐらいですが、エアレースは10Gを超える時もある。そのGに耐えようと必死にこらえていたら室屋さんが『力抜いて~』と言われたんで従ったら目が回った。慌ててて力を入れ直しましたよ。まるで違う世界であることを思い知らされました」と仕返しされた時の感想を話した。

この日、登壇できなかった中上は、「イベントに駆けつけることはできませんでしたが、レーサーズ・スクワッドに参加できるのはとても光栄です。同時に世界で活躍している大先輩の室屋選手、佐藤選手と組ませていただくのは責任も感じます。お二人に肩を並べられるくらい飛躍できるよう自分を鍛えていきたいです」とのコメントを寄せた。

世界へ挑戦し続けることへの夢と楽しさを伝えていきたい

ではレーシング・スクワッドを通じて3人は今後どのような活動を繰り広げていくのか。

室屋はこれについて、「メンバー3人は、共にワールドチャンピオンシップを戦っている同士。話してみれば(レーズに臨むに際して)似たような準備をして、似たような生活を送っています。世界と戦っている中で色々な勉強をさせてもらっているので、それを次の世代にどうやって繋いでいくか、それがベテランのアスリートの使命かなと思っています」と述べた。

佐藤は「僕もヨシさんと同世代で、スポーツ選手としては大ベテランの領域にあります。ドライバー代表としてメンバーの一員になれて幸運だし、光栄です。日本人であるという誇りを持ちつつ、世界を相手にワールドタイトルを獲るという夢を持つことの楽しさを伝えたいですね。挑戦し続けることの大切さを、次の世代や子どもたちに伝えていいきたいです」と話した。

それぞれに分野が異なるカテゴリーで世界に挑戦する3人。「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」の活動が今後、どのような形で花開くか、今後の活躍と活動に注目していきたい。

《会田肇》

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