スバル 中村社長「再発防止に鋭意努めてきたが」…リコールで通期営業利益を42%減の2200億円に修正

記者会見するスバルの中村知美社長
記者会見するスバルの中村知美社長全 2 枚

SUBARU(スバル)が11月5日に発表した2019年3月期の第2四半期累計(4~9月期)連結決算は、エンジンのバルブスプリングに関するリコールなどにより、営業利益は前年同期比74%減の550億円となった。併せて通期予想を下方修正した。

同社は完成検査問題により昨年来、約42万台をリコールしていたが、11月1日にはバルブスプリングの不具合により国内外で約41万台のリコールを行うと発表した。第2四半期では従来計画比で807億円の品質関連費を積み増しており、そのうち約550億円がバルブスプリング関係という。

第2四半期累計のグローバル販売(卸売り)は9%減の48万2100台で、この期としては前年までに6年連続で過去最高を更新していたものの、一転しマイナスとなった。主力の米国は販売店の在庫調整を行ったため、9%の減少となった。ただ、小売りベースでは6%増と好調を持続している。前年に新モデル効果が大きかった日本は21%の大幅減となった。

為替は1ドル109円で、前年同期から2円の円高になり、営業損益段階で76億円の減益要因となった。売上高は8%減の1兆4868億円。純利益はリコール関連費用が響き、48%減の443億円と大幅な減益になった。

通期のグローバル販売は、検査問題を受けて国内の生産計画を見直したことなどから、従来比で5万9300台少ない104万1100台(前期比2%減)に下方修正した。また営業利益は従来比800億円減額の2200億円(前期比42%減)、純利益は530億円少ない1670億円(24%減)に下方修正した。

記者会見した中村知美社長は相次ぐリコールの発生について「昨年来、再発防止に鋭意努めてきたのに、お客様をはじめとする皆様にご心配、ご迷惑をお掛けする事態となり、改めてお詫び申し上げる」と陳謝した。業績予想に対しては「リコール費用の計上と期初の操業計画を修正したことにより、残念ながら下方修正させていただく」と述べた。また、完成検査問題に関し、新たに約10万台のリコールを近く届け出ることも明らかにした。この費用は今期で65億円を見込んでいる。

《池原照雄》

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