ポルシェ 911 次期型、プロトタイプの画像を公開…開発は最終段階に

ロサンゼルスモーターショー2018で発表か

酷暑、極寒でテスト

ドイツ・ニュルブルクリンク、イタリア・ナルドでも試験

交通ルールに従った公道テストも

ポルシェ911次期型のプロトタイプ
ポルシェ911次期型のプロトタイプ全 11 枚

ロサンゼルスモーターショー2018で発表か

ポルシェは11月5日、『911』(Porsche 911)シリーズの次期モデルのプロトタイプの画像を公開した。次期911シリーズは11月下旬のロサンゼルスモーターショー2018での発表が有力視されており、開発コードは現行の「991」型に続く「992」型となると見られる。

次期911シリーズは8世代モデルとなり、2019年の初めごろから、欧州市場での販売を開始する予定だ。次期911シリーズは現在、開発の最終段階に差しかかっている。気温85度の寒暖差、4000mを超える標高差、大都市での交通渋滞など、世界中の厳しい環境を舞台に、車両に大きなストレスがかかる開発テストに取り組んでいる。

開発テストではまず、ポルシェの伝統的な中核技術のシャシーやエンジンなどが重視される。さらに、次期911シリーズに採用されるコクピットの全く新しい操作コンセプト、各種メーターやディスプレイの機能テストが行われる。新しいドライバーアシスタンスシステム(ADAS)や車載コネクティビティもテストされ、国ごとに仕様が異なる「ポルシェコネクト」の操作性や機能の確認も行う。

酷暑、極寒でテスト

中東の湾岸諸国や米国のデスバレーなどの酷暑地域では、次期911シリーズの空調や熱管理、エンジンの燃焼などの動作が確認され、最高気温50度の状態で、さまざまな機能テストに合格する必要がある。

フィンランドのマイナス35度の気温状況下では、水平対向エンジンのコールドスタート、暖房や空調、牽引、ハンドリングやブレーキのほか、走行ダイナミクスに関連する制御システムの応答速度などの分野に焦点を当てる。欧州の北極圏地域のワインディングロードでは、スポーツカーのテストに最適な条件下で、テストを実施。中国の公道やサーキットでも、次期911シリーズのテストカーが耐久走行に取り組む。各国で異なるガソリンの仕様に対して、エンジンが確実に動作することを確認している。

ドイツ・ニュルブルクリンク、イタリア・ナルドでも試験

ドイツ・ニュルブルクリンク北コースは、伝統的に厳しいポルシェの試験開発プログラムの一環となる。ニュルブルクリンクでは、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、シャシーなどの能力を、アイフェル山地にある厳しいレーストラックで証明する必要がある。イタリアでは、開発プロトタイプ車両は高速コースのナルドサーキットを走行する。このコースでは、トップスピードだけでなく、冷却性能やハンドリング性能も重視されている。

開発プロトタイプ車両による耐久テストでは、米国のデスバレーが最も標高が低い地点となる。デスバレーは、海抜がおよそマイナス90m。一方、標高が最も高い4300mの米国コロラド州エバンス山では、空気の薄い状況下において、次期911のツインターボチャージャーや燃料システムの性能を確認している。これらのテストは完了し、ポルシェによるとプロトタイプは、延べおよそ300万kmを走行したという。

交通ルールに従った公道テストも

ドイツ国内の都市や郊外の公道では、ユーザーの日常の使用を想定した走行テストも行われた。このテストでは車両とそのシステムの耐久性を確認し、毎日の使用に適していることを保証するために、すべての交通ルールに従いながら、多くの距離を走行している。

なお、ポルシェが公開した開発プロトタイプ車両の画像は、次期911シリーズの公式発表が近いためか、車体のカモフラージュが軽いといえる。キープコンセプトのモデルチェンジだが、最新のLED技術が導入されたヘッドライトや、横一列につながるテールランプなど、次期911シリーズの特徴的なディティールが確認できる。

《森脇稔》

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