大学入学共通テストの試行調査終了…問題・正答や解説動画など公開

大学入試センター「大学入学共通テストの導入に向けた2018年度試行調査」
大学入試センター「大学入学共通テストの導入に向けた2018年度試行調査」全 4 枚

 2020年度から導入する「大学入学共通テスト」の実施に向けて、大学入試センターは2018年11月10日と11日、全国の大学を会場に試行調査(プレテスト)を実施した。記述式問題をはじめ、実施した全6教科18科目の問題・正答、作問の狙いなどを公開している。

 大学入試センターでは、2020年度からの「大学入学共通テスト」導入に向け、試験問題の作成、記述式問題の採点体制などを分析・検証するため、2017年度(11月および2月)に高校などを会場に試行調査を実施。2018年度はさらに実際の試験実施体制に近い形として、大学入試センターを利用する全国の大学528か所を会場としてA日程とB日程(パターン1・2)で試行調査を実施し、約8万4,000人の高校生が受検した。

 実施したのは、6教科18科目。このうち、国語と数学Iでは、それぞれ小問3問の記述式問題が導入された。大学入試センターによると、国語の記述式問題では、これまで出題イメージに提示していない論理的な文章から出題。解答は、もっとも多い文字数で80~120字程度となり、解答として求める要素を正答の条件などとして整理している。数学Iの記述式問題は、2017年度試行調査の正答率や無解答率を踏まえ、数式のみを記述させる問題や、短い文章で端的に記述させる問題を出題した。

 英語の筆記(リーディング)は、2017年度試行調査結果を踏まえながら、引き続き「読むこと」の力を把握することを目的とした問題を出題。発音、アクセント、語句整序などの問題は出題しなかった。リスニングの読み上げ回数は、2017年度試行調査結果を踏まえながら、各問でどの程度の力を求めるかを整理したうえで、各問の難易度に応じて1回読みと2回読みを振り分けた。

 問題の分量や難易度と試験時間のバランスについては、2017年度の試行調査で指摘が多かった科目について特に留意。国語や生物では、文章量を2,000字程度減らし、物理や化学では数値計算を要する問題を精選するなど、改善を行った

 大学入試センターでは、試行調査の問題と正答、作問の狙いなどを教科・科目別にWebサイトに公表。国語と数学の記述式問題については、正答例や正答の条件、段階別評価の基準などが参照できる確認表を掲載しているほか、解答結果の確認手順を解説する動画も公開している。

 今後は、2018年度中に試行調査の結果を公表予定。2019年度初頭に予定する「大学入学共通テスト実施大綱」の策定・公表を経て、2021年1月中旬に「大学入学共通テスト」を実施する。

《奥山直美》

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