【メルセデスベンツ Cクラス 新型試乗】ものすごく普通のクルマをものすごく高いレベルで成立させている…諸星陽一

新型Cクラス、4種のパワートレインに試乗

パワフルなC43、ACCとのマッチングがいいC220d

ベーシックモデルの良さは、さすが

メルセデスベンツ Cクラス 新型(C180カブリオレ)
メルセデスベンツ Cクラス 新型(C180カブリオレ)全 11 枚

新型Cクラス、4種のパワートレインに試乗

数多くのモデルを用意するメルセデスベンツのラインアップのなかで、FR系のベーシックモデルとなるのが『Cクラス』。

現行モデルはCクラスとしては4代目、その元祖となる190シリーズから数えれば5代目に当たるモデルだ。2014年に登場した現行モデルは2018年に大幅な変更を受けた。その変更箇所は構成部品の約半分にも上る6500か所で、日本に導入される6種のパワートレインのうち2機種は新型、1機種はパワーアップされている。

試乗したモデルは390馬力のV6・3リットルを積む『AMG C43』、150馬力の直4・1.6リットルを積む『C180』、1.5リットル+BSG(モーターアシスト)の『C200』、2リットルディーゼルの『C220d』の計4モデル。

パワフルなC43、ACCとのマッチングがいいC220d

メルセデスベンツ Cクラス 新型(AMG C43)メルセデスベンツ Cクラス 新型(AMG C43)
4つのエンジンを比べるともちろんC43のパワフルさが格別なフィーリングだ。駆動方式が4WDのため安定感があり、安心してアクセルを踏んでいける。4WDといってもトルク配分は前が31%、リヤが69%とかなりリヤよりなので、ハンドリングもスマートなものとなっている。

2リットルディーゼルエンジンは、ディーゼルエンジンらしさにあふれる力強いフィーリングで、長距離ドライブを楽しむにはピッタリといったもの。ディーゼルエンジンの魅力はその力強い加速感やリーズナブルな燃料費などはもちろんだが、トルク変動の少なさも大きな魅力。

今や、ACCを作動させて走るのがあたり前の時代で、速度を維持するのが簡単だと思われがちだが、それでもディーゼルのトルクの安定ぶりはガソリンに比べて格段に高く、ACCとのマッチングがいいのだ。

ベーシックモデルの良さは、さすが

メルセデスベンツ Cクラス 新型(C180カブリオレ)メルセデスベンツ Cクラス 新型(C180カブリオレ)
ベーシックタイプのエンジンは2種用意される。1つは1.6リットルのガソリン、もう1つは1.5リットルのガソリンにBSGと呼ばれるモーターアシストが付いたものだ。BSGはベルトドリブン・スターター・ジェネレーターと呼ばれるもので、スズキのISGのように大型化された発電機をモーターアシスト&回生に使うもの。ただし12Vの補機用バッテリーではなく、48Vのリチウムイオンを使いマイルドハイブリッドを構成している。

エンジンの苦手な部分をBSGがカバーするシステムなのだが、まだどうしてもマッチングしきれていない印象で、シンプルな1.6リットルガソリンエンジンが一番Cクラスらしいベーシックなフィーリングを示してくれた。

ものすごく普通のクルマとなるのがC180なのだが、ものすごく普通のクルマをものすごく高いレベルで成立させているところがさすがメルセデスと感心させられる部分。ただし、価格はもっともベーシックなC180(受注生産)で449万円、その上のC180アバンギャルドだと489万円。いいものを手に入れるためにはそれなりのコストも必要だ。

メルセデスベンツ Cクラス 新型(C200セダン)メルセデスベンツ Cクラス 新型(C200セダン)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  2. スバル初の小型クロスオーバーEV『アンチャーテッド』正式発表、2026年発売へ
  3. 大成建設、高速走行中の給電に成功、EV向け「無線給電道路」の実証実験で[新聞ウォッチ]
  4. 車内すっきり! ワンタッチでCarPlayがワイヤレスに、「OTTOCAST MINI」発売
  5. エブリイ&ハイゼットオーナー必見! 最新便利アイテムをレビュー[特選カーアクセサリー名鑑]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る