カーオーディオ・プロショップが薦める『初めてプラン』…ハイレゾ音源を楽しむ!

カロッツェリア・AVIC-CL902XS
カロッツェリア・AVIC-CL902XS全 4 枚

ドライブに音楽は欠かせないと考えているドライバー諸氏に、その音楽をもっと良い音で楽しむための『初めてプラン』を幅広く紹介する短期集中連載をお贈りしている。その第7回目となる今回は、“ハイレゾ音源”をキーワードに展開していく。

なお実際のプランについては、毎回、全国の有力“カーオーディオ・プロショップ”の協力を仰ぎ、アドバイスを得ている。今回は、岩手県の実力ショップ“サウンドフリークス”の代表を務める佐藤さんに教えを請うた。

■“ハイレゾ音源”の良さを引き出そうとするならば、“パワーアンプ内蔵DSP”の導入がお薦め。

まず最初に、すでに“DAP(デジタルオーディオプレーヤー)”を持っていて、普段から“ハイレゾ音源”を楽しんでいるという場合、それをクルマの中で高音質で楽しむためにはどうすれば良いのかを教えてもらった。

「最近のクルマの純正オーディオや市販AV一体型ナビには、“AUX端子”が備えられていることが多いです。そうであるなら、“DAP”のヘッドフォン端子と“AUX”端子とをピンケーブルで繋げば、簡単に“ハイレゾ音源”を車内で楽しめます。

しかし、このやり方では“ハイレゾ音源”ならではの良さを感じ取ることは難しいと思います。ではどうすれば良いのかというと…。お薦めなのはズバリ、“パワーアンプ内蔵DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”の導入です。

もちろん、スピーカーを交換するという作戦もアリです。“ハイレゾ音源”の良さを引き出そうと思ったら、純正スピーカーでは役不足ですから。でも、どちらが効果的かと言われたら、“パワーアンプ内蔵DSP”の方だと思います。

なぜなら、車室内環境には音響的な不利がいくつかあるのですが、“DSP”を使うことでそれへの対処が可能になります。それで得られる効果は多大です。スピーカー交換以上の満足度が得られると思います。

音響的な不利とは主に2点あります。1つ目は、“リスニングポジションが左右のどちらかに片寄っていること”です。この状況だと、左右のスピーカーから発せられる音をバランス良く聴くことが困難です。しかし“DSP”に搭載されている“タイムアライメント”という機能を使うと、各スピーカーから発せられる音の到達タイミングを揃えることが可能になります。そうすることですべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せます。

その上で各スピーカーのレベル(音量)のバランスも整えれば、“ステレオ感”が正確に再現できるようになり、音楽を立体的に、リアルに感じ取れるようになるんです」

■“パワーアンプ内蔵DSP”を使うことで、音響特性の乱れも改善可能!

“パワーアンプ内蔵DSP”の利点を、さらに詳しく教えてもらった。

「音響的な不利の2つ目は、“音響特性が乱れがちであること”です。車内は狭くガラスやパネルで囲まれていますので、反射の影響により特性が乱れてしまいます。シート等で吸収される音もありますし。しかし“DSP”に搭載されている“イコライザー”や“クロスオーバー”を用いれば、音響特性の乱れを改善することも可能になります。

結果、音楽の聴こえ方がガラリと変わります。スピーカーを交換すれば音の質を向上させられますが、“パワーアンプ内蔵DSP”を導入する方が、得られる音の変化量は大きいです。より心地良く“ハイレゾ音源”を楽しめると思います」

予算的にはどのくらいをみておくと良いのだろうか。

「製品代は、もっとも手軽なタイプで6万円台から、といったところでしょうか。取り付け工賃は、当店の場合ですと3万円くらいからになります。“パワーアンプ内蔵DSP”本体の取り付けに関しては、それほど大がかりな加工をすることにはならないはずですが、スピーカーケーブルの引き回しに手間が掛かる車種もありますので、そうなると5万円くらいが必要になるケースも出てきます。

しかし、費用対効果は高いです。音源のクオリティが高いからこそ、高度なコントロール機能の利点が活きてくるという部分もありますし。導入して損はないと思います」

■グレードが高くなるほどシステム対応力も上がる。その必要度の見極めが大事。

続いては、“パワーアンプ内蔵DSP”の選び方のポイントを聞いてみた。

「今、“パワーアンプ内蔵DSP”は人気が高く、それを受けて各社からいろいろな製品がリリースされていて選択肢が相当に幅広くなっています。手頃なモデルも充実してきましたし、ハイグレードなモデルもいろいろあります。

なお、手頃なモデルでも機能的には優秀ですから、背伸びをする必要はないと思います。手が届くものの中からお選びいただければ良いと思います。

ただし例えば、いつかはフロント3ウェイを組んでみたいとか将来的なシステム発展が視野に入っているのなら、それが可能なタイプを選びたいですね。製品のグレードが高くなるほどシステム対応力が上がっていきます。どこまでの対応力が必要か、そこの見極めが重要です。逆に、ライトなシステムで良いということでしたら、手軽なモデルでも十分に良い音が楽しめます。

ところで、おクルマを新しくされるタイミングであれば、“ハイレゾ音源”を再生可能なナビを導入する、という作戦も浮上してきます。

ちなみに最近は、“ハイレゾ音源”を再生可能なモデルが増えてきましたが、お薦めなのはコントロール機能が優秀なモデルです。“パワーアンプ内蔵DSP”と同等な性能が備えられたモデルを選べば、“ハイレゾ音源”をより高音質で楽しむことが可能になります。

また、ナビで“ハイレゾ音源”を再生できるようになると、操作性の面でもメリットが得られます。車載機でシステムを完結できた方が使い勝手は良いです」

■“パワーアンプ内蔵DSP”の次には、ツィーターの導入がお薦め!

次には、“パワーアンプ内蔵DSP”、もしくは“高性能なAV一体型ナビ”を導入した後のステップアッププランについても教えてもらった。

「その後にはスピーカー交換を実行すると良いのですが、一気にすべてを換えずにまずはツィーターだけを追加してみるというのも面白いと思います。手頃なモデルなら1万円以下からありますし、ツィーターの場合は取り付け工賃を抑えた設置方法も選べます。両面テープでダッシュボードの上に固定させるという方法ならば、特別な加工は必要ありませんし。導入のハードルは低いです。

しかし、得られる効果は大きいです。高度なコントロール機能は導入済みですから、“カーオーディオ・プロショップ”ならばそれを活用して、純正のドアスピーカーとの音の繋がりも緻密にコントロールできます。十分に楽しめると思いますよ。

なお、ツィーターとミッドウーファーが別売りされているモデルのツィーターを選んでおくとベストです。後からそのミッドウーファーを買い足せば、バランス良く2ウェイシステムを完成できますから。

ここまでシステムを発展させられたら、“ハイレゾ音源”を相当に高音質で堪能できます。“ハイレゾ音源”を家で楽しまれているのなら、クルマの中でも高音質で聴けるようにしないともったいないと思います。そして、これから“ハイレゾ音源”を楽しみたいと思っている方にも、それをきっかけにカーオーディオを始めていただけたらうれしいですね」

“サウンドフリークス”の佐藤さんに聞いた話は以上だ。“ハイレゾ音源”に興味があれば、この話を参考に、“ハイレゾ音源”を楽しめるカーオーディオシステムの構築にトライしてみよう。そうすることで、カーライフがますます充実することは、間違いない。ぜひ。

“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part7「ハイレゾ音源を楽しむ!」編

《太田祥三》

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