【ハーレー FXDR114 試乗】細かいことを言う“甘ちゃん”にはおすすめできない…佐川健太郎

ハーレー随一のスポーツ性能

変化を求める声に応える

甘ちゃんにはおすすめできない代物

ハーレーダビッドソン FXDR114
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ハーレー随一のスポーツ性能

2017年にリニューアルされた新型ソフテイルシリーズの最新版『FXDR114』はアグレッシブで現代的なスタイルを持ったスポーツクルーザーである。

エンジンは新型ツーリングファミリーにも搭載されているハーレーの最新パワーユニット「ミルウォーキーエイト114ci(1868cc)」を採用。伝統の空冷45度Vツインではあるが、その中身は4バルブ&ツインプラグ化、デュアルバランサーを装備するなど近代化されパワーも大幅アップ。車体もフレーム剛性を30%以上高めつつ軽量化されている。

さらに倒立フォークとダブルディスクブレーキ、新設計のシングルリヤショックを備えるなど足回りも充実。ディメンションも刷新されるなど、「ハーレー随一のスポーツ性能が与えられたモデル」と呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。ドラッグレーサーを彷彿させる斬新なスタイリングにも新時代のハーレーの意気込みを感じさせる。

ドラッグレースとは、言わば直線番長を決める一騎打ちの勝負。シングルシートにセパハンと突き出したエアクリーナー、筋肉マッチョなデザインなど、そのシンプルな分かりやすさがFXDRの魅力である。個性派が揃う新型ソフテイルシリーズの中でも、とりわけ硬派なストロングスタイルと言えるだろう。

変化を求める声に応える


ハーレーは今大きく変わろうとしている。新型ソフテイルの開発に先立つ世界規模のユーザー調査から見えてきたのは「変化を求める声」だった。従来のハーレーが築き上げてきた伝統的イメージだけでなく、多用途性やモダンなスタイル、走りの面でも最先端のアグレッシブさなども同時に求められていることが分かったという。その意味で、FXDRはハーレーが目指す最先端の姿なのかもしれない。

走りは強烈だ。アクセルを開けると巨体を震わす鼓動とともに2リッター近いVツインのトルクが炸裂し、240サイズの超極太タイヤがアスファルトを剥ぎ取る勢いで加速していく。でも、ただの直線番長ではない。

300kgを超える車重と現行のハーレーで最も長い1735mmのホイールベースはたしかに軽快とは言えないが、それでもタイミングを捉えてイン側シートに荷重してやったり、ハーレー独特のフォワードコントロールステップを蹴り込みつつ逆操舵を与えてやるなど、明確なキッカケを与えてやることで超極太タイヤがゴロリと転がるように曲がっていく。想像以上していた以上によく曲がってくれるし、巨体を操っている手応えに満足する。

甘ちゃんにはおすすめできない代物


その走りは豪快にして爽快。一方で、「なんでステップがこんなに前なのか」、「ちょっとハンドルが遠くて前傾姿勢がオジサンには辛いとか」等々、そういった細かいことを言っている甘ちゃんにはおすすめできない代物でもある。

最近のバイクは排気量を問わず扱いやすく乗り味もジェントルである。そんな中にあってFXDRはかつてのハーレーの野性味を現代においても強烈に主張したモデルと言えるだろう。デザインは今風だが、体を通してダイレクトに伝わってくるメッセージは紛れもなくハーレーの伝統に基づくタフで頼れる開拓者魂。強くビッグなアメリカそのものだ。その純粋なスピリットが時代や世代を超えて我々を惹きつけるのだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★
快適性:★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

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