マツダ丸本社長「200万台は目標としない」…グローバル販売で体質強化優先

マツダ丸本明社長(12月25日 東京本社にて)
マツダ丸本明社長(12月25日 東京本社にて)全 8 枚

マツダの丸本明社長は12月25日にレスポンスの取材に応じ、中長期のグローバル販売見通しである年200万台について、「販売力をつけることが先決であり、目標という出し方はしたくない」と述べ、体質強化を優先する考えを示した。

丸本社長は、2019年度に開始する予定の次期中期計画について「(新型『Mazda3』から始まる)『新世代商品』群の投入を考え、24年度から25年度までを見据えた検討を行っている」とし、3か年区切りと見込まれる次期中計と次々期の中計を包括した検討を進めていると明らかにした。

マツダの経営計画については今年5月時点で小飼雅道社長(現会長)が、「今後の取組み方向性」として、(1)21年度からの本格的収益成長に向け20年度までは足場固めを図る、(2)トヨタ自動車との米国共同工場稼働(21年予定)を踏まえ、23年度には年200万台規模のグローバル販売を想定ーーという骨子を示していた。

今年度の販売計画は7月の西日本豪雨の影響によって161万7000台(前年度比1%減)と小幅の落ち込みを織り込んでいる。中長期の200万台という数値について丸本社長は「台数を一番に置くと、それが必達目標になって、やがて回りを見ながらインセンティブを使うようになる」と、優先目標に掲げた場合の弊害を指摘。

新型 Mazda 3(北米仕様)新型 Mazda 3(北米仕様)

そのうえで「これまでも(課題として)言われてきた正価販売などへの取り組みを強化しながら、結果として200万台を売る力をつけることが大切であり、200万台を売ることが大切なのではない。販売力が十分備わっていないなら190万台でもいい」と、強調した。

販売力強化については主力市場の米国で店舗の刷新や人材投資などディーラー網の強化策を推進している。かつてマツダの出荷を優先するあまり、中古車残価の下落やブランドイメージの悪化などを来したこともあるが、丸本社長は「そうしたことは2度とやりたくない」と、重要市場での販売力強化に不退転の構えで臨む姿勢を示した。

新型 Mazda 3 に搭載されるSKYACTIV-X エンジン新型 Mazda 3 に搭載されるSKYACTIV-X エンジン

一方、マツダは新中期計画の初年度となる19年度について、売上高営業利益率3%(営業利益1300億円)への業績回復に取り組む方針だ。丸本社長は「厳しい環境にはあるが、将来の成長投資に向けて、やらなければならない目標だと思っている」と、指摘した。

《池原照雄》

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