計測・可視化ツールからAI学習用データを作れるアプトポッド Analytics Serivce…オートモーティブワールド2019

iPhoneで撮影した画像も解析させることができる
iPhoneで撮影した画像も解析させることができる全 7 枚

自動運転のAI(ディープラーニング)開発にもっとも重要なのは、なんだろうか。優れたアルゴリズムやAIエンジンやプロセッサではない。学習用のデータとそのアノテーションだ。これのよしあしがAIの性能を決めるといってよい。

【画像全7枚】

しかし、この学習データは大手サプライヤーやOEMメーカー以外、なかなか有効なデータを集めることは難しい。AI業界では、優秀な、または画期的なAIアルゴリズムやアイデアを持っているスタートアップが、大手企業とデータの利用やライセンスで話がまとまらないとう話をよく聞くところだ。

アプトポッドがオートモーティブワールド2019で展示していた「Analytics Service」は、OBD、車載センサー群から収集されるデータを加工・解析するサービスなのだが、これがAIによる画像認識に使えるという。具体的にはカメラ映像から歩行者や前走車、対向車を認識するAIを構築したい場合、同社のAUTOMOTIVE PROによって実際の走行データを集める。Analytics Serviceは、収集されたデータを管理し、アノテーションを行い、教師データを準備する。その後、学習フェーズに入りAI(ディープラーニング)をチューニングしてAIモデルを生成する。生成されたモデルは車両のエッジシステムにデプロイまでしてくれる。

ディープラーニングのライブラリはTenserflow他が利用可能だ。データ準備や学習作業にはPython SDKが用意されている。

もともと、アプトポッドのソリューションは、双方向通信が可能なデータロガーシステム。各種の車両リアルタイムデータをダッシュボード等で可視化し解析を助けるもの。ECUやADAS開発に有効なものだ。双方向通信なので、必要なら車両の制御も可能な計測システムといえばいいだろうか。例として、自動運転カーの緊急時に、運行センターが遠隔操作などを行うシステムが実現できるというものだ。

今回、これに解析サービスが加わり、かつディープラーニングの学習、AIモデルのターゲットへのデプロイまで対応するというので、自動運転のAI開発のツールとしても利用範囲が広がったことになる。

面白いのは、Analytics Serviceのデータ入力にiOSデバイス(iPhone)が利用できるようになっている点だ。iPhoneのカメラ、GPS、加速度センサー(9軸)のデータをAnalytics Serviceに投げて、画像認識をさせたりができる。

会場デモは、用意された走行データからパイロンを検知するAIを動かしていた。もちろん、歩行者や車両も検知しているが、パイロンを見つけたときに識別した枠が表示されていた。同様に、展示台に置かれたミニカーやミニパイロンをAnalytics ServiceにつないだiPhoneで撮影しても、パイロンなどを認識していた。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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