【メルセデスベンツ Aクラス 新型試乗】まだまだ私は、MBUXと意思の疎通ができていない…岩貞るみこ

ターゲットは若い。ゆえに、硬い。

気持ちはありがたいけれど…

MBUXとわかりあうためには

メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)
メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)全 39 枚

ターゲットは若い。ゆえに、硬い。

メルセデスベンツのエントリーモデルである『Aクラス』。ターゲットとする年齢層は若く、ゆえに求められる走りもシャープでスポーティなものである。

そして、私がターゲットからはずれたアラフィーであることを痛感させられるのは、そのサスペンションの硬さだ。硬い。特に、後ろ足。

今回は、「A180 スタイル」と、それにAMGパッケージをほどこしたAMGライン装着車に試乗させていただいた。AMGラインは、エンジンなどは変わらないものの、タイヤが16インチから18インチへとサイズアップされている。
メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)
となると、もちろん、18インチになると硬さが際立つ。16インチですら硬いと感じたサスペンションが、高速道路のつなぎめを超えたとき、体(の骨?)につたわる振動の硬質さにさらにエッジがきいてくる。

ただ、そこはやはりメルセデス。硬くても車両全体へのぶれはなく、ただ硬い。これがスポーティですよ、若さですよと言われれば、ああ、そうですねえと、若かりし日を思い出して遠い目になるばかりである。

気持ちはありがたいけれど…

メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)
さて、今回の目玉は「MBUX」こと、Mercedes Benz User Experience。「Hi, Mercedes」と話しかけると、あれこれしてくれるシステムである。起動するキーワードは「Hi, Mercedes」のはずなのに、同乗者との会話のなかに「Mercedes」という単語が出てくると、ときどき反応したりする。どうも、MBUXは仕事熱心なようだ。

電話をつないだり、話し相手(?)になってくれたりとあれこれしてくれるとはいえ、カーナビに対しては目的地入力くらいしかしてくれない。私がいつも運転中に頻繁に使う、拡大と縮小については知らんふりだ(設定されていない)。それとは知らず、しつこく「地図を拡大して!」と言い続けると、困ったように悩んだあと「エアコンを最大にします」と答えて、いきなり、ごーっとエアコンから暖かい風を送り込んでくる。

いや、違うってば。気持ちはありがたいけれど、わからないなら、おとなしくしていようよ? 高速走行中に温風を勢いよくあてられて慌てる始末である。

MBUXとわかりあうためには

メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)
目的地の神奈川県某市の気象情報を聞いても、なぜか青森県の地名を表示するし、まだまだ私は、MBUXとは意思の疎通ができていない。確かに、人と話をするときも、共通の経験がないと会話って続かないものだよね。共通の認識がなければ、言葉を端折ると会話も成立しないし。

「僕はキツネが食べたいな」
「私はタヌキのほうが美味しくて好き」

日本語を覚えたての外国人が、いきなりこの会話を聞いたらびっくりするだろう。けれど、これが、蕎麦屋さんでの会話なら、意味は正しく理解される。共通の経験と認識ってそういうもの。

MBUXも、使ううちに学習してくれる。やはりわかりあうには、マイカーとして使いこなすしかないんだろうな。

メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)メルセデスベンツ Aクラス 新型(A180 スタイル AMGライン装着車)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  3. 次期トヨタ『ハリアー』は新エンジンの恩恵でフォルムが大変化…スクープ記事ベスト5 2025年上期
  4. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  5. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る