アジア太平洋市場はグロバールの30%まで伸びる…コンチネンタルタイヤ・ジャパン

代表取締役社長グレゴリー・メイ氏
代表取締役社長グレゴリー・メイ氏全 4 枚

21日、コンチネンタルタイヤ・ジャパンは、国内新発売となる『EcoContact6』の発表にあわせ、同社代表取締役社長グレゴリー・メイ氏による事業戦略の説明が行われた。発表および質疑応答では、コンチネンタルのアジア太平洋市場の戦略、話題のオールシーズンタイヤについての言及もあった。

コンチネンタルは、日本では自動運転技術、ADAS技術、あるいは次世代パワートレインといったサプライヤーとしての認知が進んでいるかもしれない。事実、グローバルでのサプライヤー市場において、コンチネンタルはボッシュに次ぐ第2位のポジションにいる(デンソーは僅差で3位)。しかし、グローバルで主たる事業は、部門別売上で26%を占めるタイヤの製造販売である。

そのポートフォリオは乗用車からトラック、フォークリフト、工業用タイヤ、自転車まで多岐にわたる。タイヤメーカーの中では、ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーに続く4位だが、メイ氏は「グローバルでのポジションを3位まで上げる」とした。グローバル市場で、コンチネンタルが注目するのはアジア太平洋(APAC)市場だという。

現在、コンチネンタルの事業に占めるAPAC市場の割合は10%程度だが、メイ氏は「APAC市場、とくに中国と日本はここ数年、グループの成長率を上回っている。10%という比率はよりバランスのよい比率になっていく」と語る。北米約30%、EU・中東・アフリカ(EMEA)約60%、APAC10%という比率の中、「バランスがよい」とは具体的にどれくらいの比率なのだろうか。この質問には「バランスは、そのときの市場全体の状況によるものなので、具体的な数値目標は設定していない。が、中国の急速な成長率などから30%程度はいくのではないか」と回答した。

成長するAPAC市場に対応するため、3月から、年間400万本規模の生産能力を持つ新工場をタイに稼働させるという。ここでは、乗用車と小型トラックのタイヤを主に生産する。また、

ところで、いまや世界最大の自動車市場となった中国で業績が伸びることは、容易に想像できるが、メイ氏は、日本市場の成長、期待を述べていた。これは、サプライヤーとしてのコンチネンタルのADAS技術や次世代パワートレイン技術が背景にあると思われる。同社は、自動ブレーキシステムなどの国内メーカとの取引拡大に力を入れている。

コンチネンタルが、ABSや自動ブレーキシステムなどADAS技術に強いのは、タイヤメーカーであることも大きく関係している。タイヤの性能や特性は、自動運転も含めてADAS技術の性能に大きく影響する。同社は、タイヤもEV化、ADASや自動運転に合わせた特性や機能を持つようになるとする。その方向性は2017年のフランクフルトで発表した、センサー内蔵タイヤ(導電性ゴムを利用した「コンチセンス」)やインテリジェントな機能を持ったタイヤ(リム幅を調整することで空気圧を調整する「コンチアダプト」)で示している(メイ氏)。

質疑応答では、国内で広がっている「オールシーズンタイヤ」についての質問もだされた。同社のオールシーズンタイヤの日本投入はあるのだろうか。メイ氏は、日本において、この市場が広がっていること、同社のDWS06への注目を認めつつも「最優先事項ではない」とした。

《中尾真二》

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