国土交通省は2月22日、東京地下鉄(東京メトロ)霞ケ関駅(東京都千代田区)で危険物の旅客スクリーニングに関する実証実験を行なうと発表した。
東海道新幹線で相次いで発生した殺傷事件などにより鉄道のさらなるセキュリティの向上が叫ばれるなかで、国交省では鉄道各社に対してセキュリティの強化を指示してきたが、駅における手荷物検査については、石井啓一大臣が「凶器の持込みを防止する効果が認められる」としながら「旅客の利便性や運行の定時性を損なわずに円滑に手荷物検査の実施が可能かどうかといった点について、慎重な検討が必要と考えております」と述べていた。
これを受けて国交省では「旅客流動を大きく妨げない装置を用いた危険物の旅客スクリーニングの実証実験(委託調査)に関する企画提案」を募集した結果、総合警備保障の企画提案が採択され、委託契約を締結。同社が東京メトロやキヤノンマーケティングジャパンなど5つの協力会社とともに、霞ケ関駅日比谷公園方面改札の改札機にボディスキャナを設置して、旅客スクリーニングの実証実験を行なうことになった。
実施期間は3月4~7日の4日間で、各日7時間程度を予定。実験では、特定の改札機に模擬危険物を持ったエキストラをランダムに通過させ、ボディスキャナでスクリーニングする。
エキストラ以外でスクリーニング中の改札機を通過する旅客も実験の対象となるが、協力は任意のため、他の改札機を通ることで検査を受けずに改札を通過することもできる。手荷物検査を行なうことはないが、一般旅客に対してはアンケートへの協力をお願いすることもあるという。