BEWITHが新ブランドを『PLUG & PLAY』創設---コンセプトと利点を解説

10ch/8ch DSP Driver、PLUG & PLAY 1080(仮称)。
10ch/8ch DSP Driver、PLUG & PLAY 1080(仮称)。全 8 枚

国産ハイエンドカーオーディオブランド“BEWITH”から、2月9日に2つのニュースリリースが配信された。1つは突如発表された新ブランドの創設、そしてもう1つが同社初となるBluetoothレシーバー発売のニュースだ。

それぞれが何を目指し、どのようなメリットをもたらすものなのかを詳細にリポートする。

カーオーディオ市場の急速な変化を先取りする新ブランド『PLUG & PLAY』
まずは、突如発表された新ブランド創設のニュースについて。その名は『PLUG & PLAY』、接続すればすぐ使える、といった意味で広く使われる言葉がそのままブランド名になっている(同社の登録商標)。リリース資料によれば、『PLUG & PLAY』は「“FOCAL”、“BEWITH”製品から純正装着品に至るまで、あらゆるカースピーカーの能力を簡単・確実に引き出して既存カーオーディオシステムの高音質化を身近にするエレクトロニクス製品および関連アクセサリー類の新ブランド」ということで、純正システムにカプラーオンで接続できる小型プロセッサーアンプなど4機種が第1期製品として発売される模様だ。価格帯は発表されていないが、仕様から見て“BEWITH”ブランドの弟分といったポジションだろう。

ご承知の通り新型車、特に上級車種ではカーオーディオシステムを汎用タイプの市販品と交換することが年々難しくなってきている。そのため同社グループでは“BEWITH”ブランドの車種別スピーカー『BE-FIT AM』シリーズの充実や、 “FOCAL”のスピーカーを気軽に取り付けられる専門店チェーンの“FOCAL PLUG & PLAY STORE”を展開しているわけだが、当然スピーカー交換だけでは物足りないという声も出てくる。そこで車種別スピーカーに続くメニューとして、取り付けが簡単なプロセッサーやアンプを用意する必要があったのだろう。その意味では、『PLUG & PLAY』は単なる廉価ブランドというより、カーオーディオ市場の変化を先取りする新しい挑戦と言えるかもしれない。

製品は “FOCAL PLUG & PLAY STORE”や“BEWITH”製品販売店、さらには自動車用品店、自動車販売店等、幅広い販路を通じて流通されるという。

ニュースリリースの中で発表された発売予定製品は4モデル。いずれも2019年5月発売が予定されている。それぞれの仮称とプロフィールは以下のとおりだ(各機のスペックは開発中のものがベースとなっているので今後変更される可能性がある)。下記の製品名はすべて仮称。価格もすべて未定だ。

『PLUG & PLAY 1080』(10ch/8ch DSP Driver)DSPとデジタルパワーアンプとが統合されたユニット。DSPには最大8ch分のハイレベル入力と2ch分のライン入力、96kHz/24bitハイレゾ対応の光デジタル入力、10ch分のライン出力が装備される。パワーアンプは、定格出力50W×8ch(4Ω、RMS、無歪)の高音質デジタルパワーアンプ。調整機能として、全ch独立31バンド・パラメトリックイコライザー、クロスオーバー、タイムアライメントを搭載(デュアル32bit処理のハイクオリティタイプ)。チューニングはPC(Windows/Mac両対応)を接続して行える。なお、内蔵パワーアンプはブリッジ接続も可能で、定格出力150W×4ch(4Ω、RMS、無歪)のハイパワーアンプとしても使用可能。

『PLUG & PLAY 640』(6ch/4ch DSP Driver)こちらは、最大4ch分のハイレベル入力、もしくは2ch分のライン入力、6ch分のライン出力が装備されたDSPと、定格出力25W×4ch(4Ω、RMS、無歪)の高音質パワーアンプとが統合されたユニット。高精度なフルオートチューニング機構を搭載し、PC(Windows/Mac両対応)と測定用マイク(販売店向けオプション)を接続することで、全ch独立31バンド・パラメトリックイコライザー、クロスオーバー、タイムアライメントを含む統合的なサウンド調整をスピーディかつ的確に全自動で実行可能。また、コネクターを車両側ハーネスへ接続するだけで配線作業を完了できる車種別専用ケーブルキット(別売)も豊富にラインナップされる予定。なお本機は、販売店で測定・調整することが推奨されているとのこと。オートチューニング機構はマニュアル調整との併用も可能だ。

『PLUG & PLAY DSP』(8ch DSP Controller)高性能・高機能な単体DSP。ライン入力/ハイレベル入力を6ch分、AUX入力を1系統(2ch)、さらには光デジタル入力(96kHz/24bitハイレゾ対応)を、そしてライン出力を8ch分装備する。スリーブ構造の高剛性筐体を持ち、厚さ32mmという薄型化も実現されインストール性も高い。

『PLUG & PLAY POWER』(2ch Power Amplifier)定格出力80W×2ch(4Ω、RMS、無歪)のハイパワー超小型デジタルパワーアンプ。ブリッジ接続にも対応し、定格出力200W/ch(4Ω、RMS、無歪)のモノラルパワーアンプとしても使用可能。

各機とも、純正・市販を問わずすべてのスピーカーの性能を手軽に引き出すことを可能とするユニットだ。システムの現況や予算、さらには目指したいシステムプランの違いによって、さまざまにチョイスが可能となる。発売開始を楽しみに待ちたい。

ハイエンドシステムとの組み合わせに最適なクオリティでBluetooth経由でのワイヤレス接続が可能に!次に、“BEWITH”ブランド初となるワイヤレスオーディオレシーバー発売のニュースについて解説していく。製品名は『RT-1』だ。

当機は、Bluetooth経由での高音質音楽再生を実現するためのワイヤレスオーディオレシーバーだ。税抜価格は5万円(取付費別)、2019年2月9日より早速発売開始されている。

昨今は、スマートフォンをカーオーディオのソースユニットとして活用するドライバーがますます増え、Bluetooth経由でのワイヤレス接続はハイエンドオーディオにおいても無視できないトレンドとなってきた。しかし気になるのが音質である。これまで同社がワイヤレス接続の採用に慎重だったのもそこが最大の理由と思われるが、『RT-1』ではハイエンドシステムとの組み合わせに十分なクオリティを確保しているという。

『RT-1』が高音質であるポイントは、抜群の分解能とチャンネルセパレーションを実現する独自の内部構成が取られていること、32bit D/Aコンバーターや高剛性アルミニウムボディなどが採用されていること。これらにより、従来のBluetoothレシーバーとは一線を画すハイクオリティなBluetooth再生を実現している。もちろんコーデックはAACとaptXに対応し、iPhoneでもAndroidデバイスでも高音質接続が可能だ。

「技適マーク」(技術基準適合証明)が取得されているので、国内でも安心して使用可能
音声出力は3系統(切り替え式)を用意。アナログRCAライン出力、光デジタル出力、そして同軸デジタル出力が備えられている。とりわけハイエンドカーオーディオユーザーからは、同軸デジタル出力の装備が歓迎されるところだろう。“BEWITH”製の『AZ-1/AZ-2』をはじめとする同軸デジタル入力端子を備えたDSP等と組み合わせて使用する際に、より安定度の高い信号伝送が可能となる。

また、着脱式の外部アンテナも付属されていて、これを用いれば、設置場所に関係なく安定したBluetooth接続が行える。

なお当機は、“BEWITH”製品の海外販売代理店によって企画・開発されたモデルであるのだが、日本国内市場への導入にあたっては「技適マーク」(技術基準適合証明)が取得されているので、国内でも安心して使用可能だ。ご参考までに、国内では「技適マーク」のないBluetooth機器が普通に販売されているようだが、日本在住の人が国内において無免許でこれを使うと使用者側が電波法違反となる(販売者側に罰則はない)ので注意していただきたい。

Bluetooth接続をより上質に行いたいと思っていたハイエンドカーオーディオユーザーは、当機のチェックはマストだ。

“BEWITH”が新ブランド創設を発表!さらに同社初のBluetooth機器も発売、それぞれのコンセプトと利点を詳細解説!

《太田祥三》

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