VWの3輪電動キックボード、ラストマイルの移動手段を提案…ジュネーブモーターショー2019

後輪にモーターを内蔵。体重を移動することでカーブを曲がる

最高速は20km/h。折りたためば車両のトランクに収納可能

航続は約15km。自転車専用道路での使用許可を得るのが目標

フォルクスワーゲン・シティスケーター(ジュネーブモーターショー2019) (c) Getty Images
フォルクスワーゲン・シティスケーター(ジュネーブモーターショー2019) (c) Getty Images全 5 枚

フォルクスワーゲンは3月5日、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2019において、電動キックボードコンセプトの『シティスケーター』(Volkswagen Cityskater) を初公開した。

フォルクスワーゲンは、持続可能なアーバンモビリティの未来のひとつ、「マイクロモビリティ」の実現に取り組んでいる。フォルクスワーゲンが提案するモビリティの新しいあり方を具現するコンセプトモデルが、ジュネーブショー2019で発表されたシティスケーターだ。

後輪にモーターを内蔵。体重を移動することでカーブを曲がる

シティスケーターは、都市におけるラスト1マイルの移動手段として開発された。例えば、駐車場、バス停、駅などから最終目的地までの移動に使用できる。フロント2輪、リア1輪の3輪車のシティスケーターは、リアホイールに内蔵した電気モーターによって、市街地を走行する。

コンパクトなマイクロモビリティは、異なる車両を乗り換えることによるシームレスなネットワークを構築し、アーバンモビリティにエキサイティングな新しい体験をもたらすという。シティスケーターなどのモバイルソリューションは、時間の節約にも貢献する。
フォルクスワーゲン・シティスケーターフォルクスワーゲン・シティスケーター
フォルクスワーゲンは近い将来、世界中の都市生活者や観光客が、車を自宅やホテル、駐車場に置いて、シティスケーターのようなゼロエミッションビークルを使って、移動できるようになる可能性があると見込む。シティスケーターなどの革新的な車両コンセプトは、未来のモビリティの姿を一変させる可能性を秘めているという。

シティスケーターは、従来のスケートボードやキックボードと違い、フロントホイールが付いたフットボードに両足を載せて走る。コントロールロッドが、安定性を確保。操縦はスキーに似ていて、片足から反対側の足に直感的に体重を移動することで、カーブを曲がる。

最高速は20km/h。折りたためば車両のトランクに収納可能

市街地を移動するための3輪モビリティのシティスケーターは、折りたためば、ほとんどの車両のトランク収納できる。また、折りたたんだ状態から、わずか数秒で組み立てられる。ダブルボード構造のシティスケーターを始動、加速、制動するには、コントロールロッドを使う。フォルクスワーゲンによると、自転車と同等の最高20km/hで走れるので、歩くには長すぎる距離を移動する場合に最適という。
フォルクスワーゲン・シティスケーターフォルクスワーゲン・シティスケーター
また、シティスケーターは、リーンアングル(限界バンク角)が22度なので、クイックなコーナリングも得意だ。リアホイールと一体化した電気モーターの出力は350W。リチウムイオンバッテリーの蓄電容量は200Whで、家庭用電源(230V)を使えば、1時間以内にバッテリーの50%の容量が充電できる。

航続は約15km。自転車専用道路での使用許可を得るのが目標

この充電状態での走行距離は、最大7.5kmとなる。フル充電すると、航続は約15kmに伸びる。電源さえ確保できれば、車のトランクや電車内でも充電できる。

シティスケーターは現在、型式認証を受けている段階だ。フォルクスワーゲンの目標は、自転車専用道路での使用許可を得ることにある。軽量なシティスケーターの全長は850mmで、使用可能状態での全高は1170mm、耐荷重は120kg、登坂能力は10%だ。

シティスケーターには、フロントとリアライト、ホーン、後輪ディスクブレーキなどを装備する。折りたたんだ時の高さは、わずか330mmに収まるため、オフィスの机の横にも置いておくことも可能、としている。

《森脇稔》

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