【ホンダF1】マネージングディレクターとなる山本雅史氏が新季に向けて決意表明…「まずは1勝を」

ホンダの山本雅史・現モータースポーツ部長。
ホンダの山本雅史・現モータースポーツ部長。全 10 枚

9日に開催された「ホンダF1キックオフ記者会見」において、4月からホンダF1マネージングディレクターとなる山本雅史・現モータースポーツ部長は「応援してくださるみなさんと喜びを分かちあいたい。まずは1勝を」と、2019年シーズンへの決意を語った。

今季からホンダ製パワーユニット(PU)を積むレッドブルと、ホンダ製PU搭載2シーズン目を迎えるトロロッソ、この2チームにはマシン開発の面で(ルールの範囲内において)協力しあえる関係性があり、単純な台数面の足し算だけではない、ホンダを含めた“三位一体”でのホンダ勢という言い方が今季はできる。会見時に掲示された三者のロゴの組み合わせ画面に「プレミアム パートナー」の英字が添えられていたのも象徴的だ。

レッドブル、トロロッソのドライバーやチーム首脳らとともに登壇した山本氏は、「こういう場で両チームと一緒にシーズンをスタートできることが本当に嬉しいです」と語り、両陣営への感謝を語った。さらに山本氏は、同席した田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターら技術陣が「開幕ギリギリまで懸命に努力しています」とも付け加え、そこから得られる手応えも実感しているようだった。

山本氏は現在、ホンダのモータースポーツ部長を務めており、昨年は国内でスーパーフォーミュラとSUPER GT/GT500クラスの2冠を久々に奪還するなどの結果を出した。しかし、この2月に発表されたホンダの部長級以上人事(4月~)においては山本氏の名がなく、モータースポーツ業界内には一瞬『なぜ?』と思わせるところがあったのだが、その後、山本氏はホンダ上層部にF1専念を求められ新職に就くという状況が次第に明らかに。

この日、山本氏は「4月から(自分は)ホンダF1マネージングディレクターとして活動することになります」との旨を公表。技術面を統べる田辺氏がホンダF1の“頭”なら、山本氏は海千山千の猛者が巣食うF1パドックでの政治面を担当するホンダF1の“顔”として(これまで以上に)機能していくことになる。

山本氏は「2チーム供給となる今季、ホンダはこれまで以上に強くF1にコミットメントしていきます。(皆が)強い思いをもって臨みます」との旨も語り、「応援してくださるファンのみなさんと喜びを分かちあいたい。まずは1勝を勝ち取りたいと思います」との目標も語っている。

ホンダは2015年のF1復帰以降、まだ勝っていない。表彰台獲得もないが、3強の一角であるレッドブルと組んだ今季に向けてはファンの大きな期待がかけられている。

レッドブルはルノー製PUで戦っていた昨季、4勝してコンストラクターズランキング3位だった。2勝して個人ランキング4位だったマックス・フェルスタッペンはこの日の会見のなかで、「少なくとも昨年以上の成績を」との目標を語っており、これをチームにあてはめれば“4勝以上”が最低限の目標になるが、山本氏は「まず1勝」にフォーカスしている。不本意な成績が続いてきただけに、最初の一歩に強い思いが向く心境はわかるところ。そして、早期の1勝実現こそがシーズンをいい方向にもっていくのかもしれない。

レッドブルとしても2013年を最後にタイトルからは遠ざかっており、近年はメルセデス、フェラーリに次ぐ“3強の3番目”的なポジションに甘んじているだけに、ホンダとの提携を機に浮上を狙いたい局面だ。開幕前のテストではフェラーリの好調さとメルセデスの堅実さが目を引いたとの話も伝えられているが、新生レッドブル・ホンダ、フェルスタッペンとピエール・ガスリーの躍進に期待したい。

もちろんホンダPU搭載2年目のトロロッソ、フランツ・トスト代表の「パッケージに自信を感じている」という手応えにも期待大だ。ダニール・クビアトとアレクサンダー・アルボンの上位食いに注目である。

この日のイベント(会見後のファンミーティング)にはファンから予想以上の熱い注目が注がれ、一部の入場券取得方法等が事前に変更(既報)されるほどだった。今季はレッドブルとトロロッソ、ホンダ勢の活躍に日本中のF1ファンの視線が集まることになるだろう。

大注目のF1開幕戦オーストラリアGPは、15日にフリー走行が始まり、16日に予選、17日に決勝レースが実施される予定だ。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る