マカンSは、『マカン』シリーズにおける高性能グレードだ。マカンは2018年夏、2013年のデビュー以来、初の大幅改良を受けた。今回、その高性能グレードのマカンSにも、改良新型が登場している。
◆新デザインのフロント/リアでイメージチェンジ
改良新型ではフェイスリフトが施され、最新のLEDテクノロジーを導入したLEDヘッドライトが標準装備される。「PDLS プラス」(ポルシェ・ダイナミック・ライト・システム・プラス)も選択可能。ヘッドライトの配光パターンを、走行状況に応じて最適に制御する。4灯式ウエルカムホームライトによって独特な外観を生み出すとともに、最適な照度によって路面を明るく照らすことができる。

インテリアでは、ダッシュボードのデザインを変更した。『911』シリーズと共通の小径マルチファンクション「GTスポーツステアリング」をオプションで用意した。ステアリングホイールに、モードスイッチやスポーツレスポンスボタンを配置する。「スポーツクロノパッケージ」の一部として、設定される。
◆タッチパネルモニターは従来の7インチから10.9インチに大型化
また、改良新型には、最新のデジタルコクピットを採用した。10.9インチのタッチパネルモニターを新たに搭載する。従来の7インチから拡大されたフルHDタッチスクリーンが、新デザインのダッシュボードに組み込まれた。新開発の「ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント」(PCM)を通じて、コネクティビティや多くのデジタル機能を提供する。インフォテインメントシステムのユーザーインターフェイスは、パナメーラや『カイエン』同様、カスタマイズできる。

通信関連ではLTE通信モジュールとSIMカードリーダーを備えたポルシェコネクトプラスとWLANホットスポット、ポルシェコネクトサービスが主な標準装備となる。クラウドは常にアップデートされたデータをドライバーに提供し、素早く的確なルート計算を可能にする。「オフロードプレシジョンアプリ」も新採用され、起伏に富んだ地形の走行を詳細に記録し、録画をしてドライバーの技術向上を支援する。
改良新型には、最新の先進運転支援システム(ADAS)を採用する。新たに「トラフィックジャムアシスト」などの機能を「アダプティブクルーズコントロール」に統合した。60km/hを上限に作動し、快適でリラックスできるドライブ体験を提供する。このシステムでは、部分自動運転が可能。前走車に追従して、アクセルとブレーキを車両がコントロールし、加速と減速を半自動で行い、ドライバーは渋滞中および流れの遅い交通状況で走行レーンをキープすることができる。渋滞や低速時には、ステアリングの操舵の支援も行う。
◆0~100km/h加速5.1秒、最高速254km/h
改良新型マカンSには、新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。ターボチャージャーはVバンクの内側に配置した。これにより、エンジンの燃焼室とターボチャージャーとの間の排気ガスの流れを短くし、レスポンスを引き上げた。新しいツインスクロールターボチャージャーは、低回転域で力強いトルクを発揮する。ツインスクロール技術では、排気ガスの流れを別々として、タービンホイールに連続的に供給する。

さらなる走行性能を追求し、シャシーを再チューニングした。フロントアクスルにはアルミ製スプリングを採用し、ばね下重量を減らして、ステアリングの正確性や乗り心地を向上させる。「PTM」(ポルシェ・トラクション・マネジメント)も再チューニングを受けた。
最新のアクティブダンパーコントロールシステムの「PASM」(ポルシェ・アクティブ・スタビリティ・マネジメント)、「PTVプラス」(ポルシェ・トルク・ベクタリング・プラス)が用意される。ブレーキも強化されており、「PCCB」(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)をオプション設定している。