北大阪急行線延伸事業のいま、新御堂筋を行くクルマから工事現場をみる

新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事
新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事全 16 枚

「梅田まで22分 北大阪急行延伸 2020年度開業目標」「現在鉄道延伸工事中です ご迷惑おかけしております」 そんな横断幕とすぐとなりを走る地下鉄車両をちらっと見ながら、片側2車線の道路を行く。

新大阪駅をかすめて南北に走る、国道423号「新御堂筋」。新大阪駅から北へ向けてクルマを走らせると、10分もたたないうちに、冒頭のような横断幕に出会う。

新御堂筋の中央部分を走る地下鉄線というイメージのある、Osaka Metro 御堂筋線。その先でつながる北大阪急行電鉄南北線の終着駅千里中央から先が、今回注目したエリア。千里中央駅から箕面萱野(みのおかやの)駅まで、線路を2.5km延ばす「北大阪急行線延伸事業」。北大阪急行と箕面市が650億円をかけて線路を延ばすこの延伸工事現場のいまを、クルマに乗りながら記録してみた。

シールドトンネルの地下線と高架橋の地上線

新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事国道423号「新御堂筋」に沿って、イオン箕面店付近まで線路を延ばす北大阪急行線延伸事業。その工事は、事業主体の北大阪急行と箕面市で、はっきりと分かれている。

北大阪急行電鉄は、千里中央駅から延伸区間内唯一の途中駅 箕面船場阪大前駅南端までの区間と、箕面船場阪大前駅から箕面萱野駅までの区間のうち、線路や駅内装などを。箕面市は、箕面船場阪大前駅から箕面萱野駅までの区間のうち、コンクリート構造物や駅舎など(インフラ部)を担う。

延伸区間の線路は、地下にある千里中央駅からゆるやかに上り勾配を続け、箕面船場阪大前駅の先、COM1号館付近で地上へと出る。地上出入口と終点の箕面萱野駅の間の高架区間は800m。地下区間は1.7km。千里中央~箕面船場阪大前の間はシールドトンネル区間、そのほかは開削工法をとる予定。

シールドマシン発進基地付近の基礎工事がみえて

新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事千里中央駅付近から片側2車線の国道423号「新御堂筋」をクルマで北上すると、新船場南橋交差点と新船場北橋交差点の間で、上り線側に巨大なクレーン重機が長い首を振っているのがみえる。

この付近が、シールドマシン発進基地。いまセグメントヤードとプラントヤードをつくってるらしく、このあたりから「工事やってる感」が伝わるシーンが次々とやってくる。

国道423号「新御堂筋」は、新船場南橋交差点を過ぎたころから下り坂に転じる。千里川と芋川を谷とする河岸段丘をつくるあたりで、延伸線路はこの谷をクリアするように地上へと顔を出す。その出入口は、COM1号館や阪急バス箕面船場出張所の手前付近。

延伸線路のなかで唯一の途中駅 箕面船場阪大前駅は、国道423号(新大阪方面)側道の直下に設置され、地下3階部分にホームができる。完成後は地下3階部分の箕面船場阪大前駅を出た電車は、ゆるやかな上り勾配を駆けて地上へ顔を出し、芋川・千里川の谷間を高架線で乗り越えて箕面萱野駅ホームへとつけるイメージ。

山と谷を貫くゆるやかな上り勾配の線路をイメージ

新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事新御堂筋を走るクルマのなかからみえる北大阪急行延伸工事芋川・千里川との交差付近では、国道423号「新御堂筋」の新大阪方面側で基礎工事がすすむ。その谷間付近の萱野交差点付近は、せまい工事囲いのなかをクレーン重機が細かく動いている。クルマの流れをとめず、川の流れをとめずに基礎工事をすすめるあたりも、難しそう。

新たな終着駅となる箕面萱野駅の予定地も、すでに工事囲いで覆い基礎工事がすすむ。気になるのは、このエリアの発注者が大阪市高速電気軌道で、工事監理が大阪メトロサービスと掲出されている点。

北大阪急行線延伸事業の工事発注者は北大阪急行電鉄、工事監理は阪急設計コンサルタント、工事施行は熊谷組・フジタ・森組 特定建設工事共同企業体(JV)だから。

こんどはクルマをUターンさせて、箕面萱野駅から箕面船場阪大前駅、千里中央駅へとクルマを南へむけて走らせてみる。北へと走るクルマのなかから見える光景とはまた違った、工事現場のいまがみえてくる。

シールドマシンが動き出すと、「2交代制 1日16時間」で掘削作業がすすむ。開業目標は2020年度。

《レスポンス編集部》

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