【INDYCAR 第3戦】佐藤琢磨、通算4勝目は初のポール・トゥ・ウイン…「マシンが本当に素晴らしかった」

見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。
見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。全 8 枚

米アラバマ州のバーバー・モータースポーツパークで現地7日に開催された2019年インディカー・シリーズ第3戦決勝、佐藤琢磨が自身初のポール・トゥ・ウインで通算4勝目を達成した。完封勝利といってもいい、見事な内容だった。

常設ロードコースのバーバーを90周する決勝レース(路面ドライ)、今季初のポールポジションからローリングスタートに臨んだ佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は、しっかり先頭をキープして発進、ここからレースをほぼ完全に支配していく。

ピットタイミングでの順位後退こそあったものの、実質の先頭は譲らなかったと考えていい内容でのポール・トゥ・ウイン。90周のうち74周でリードラップを記録し、2位に入った前年王者スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)以下をシャットアウトしてみせた。

最初のピットストップで少し作業ロスがあったり、僚友で予選2位だったグレアム・レイホール(#15)がトラブリーな展開の末にストップしたりと、琢磨の周辺には不安要素もなくはなかったのだが、終わってみれば終盤の自身のコースオフもご愛嬌といったところで、圧勝ともいえるポール・トゥ・ウイン達成である。圧勝にもいくつか種類はあるが、後続との差が数十秒規模で離れるような楽勝ということではなく、一定の緊張感を保っての貫禄の完封勝利、と評すべき内容だった。

見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。

これで琢磨はインディカー通算4勝目、そして自身初、もちろん日本人選手初のポール・トゥ・ウイン達成となった。

優勝した佐藤琢磨のコメント
「今日の勝利を実現させてくれたチームオーナーたち、ボビー・レイホール、デイビッド・レターマン、マイク・ラニガンに深く感謝します。そして、常に協力しあって戦っているチームメイトのグレアム・レイホールにも同じく感謝しています。今日は2人のどちらもが高い競争力を発揮できると分かっていました。グレアムにトラブルが起こってしまったことは残念でなりません。しかし、こうして自分が優勝できたので、チームにとっては素晴らしいレースとなりました」

見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた佐藤琢磨。

「1回目のピットストップは少し時間がかかりました。それは(自分の)カーナンバー30に新しいクルーがいて、彼らがまだ作業に完全には慣れていないところがあるからです。レースではこのようなことが起こる時もあります。ドライバーがミスをすることもあるのですから。そして(幸いにして)あの後も実質トップでコースに戻ることができました」

「今日はマシンが本当に素晴らしかった。自分としては(あまりに調子が良いために)ちょっとプッシュし過ぎた走りになっていたかもしれません。緊張感に満ちた戦いが続いており、とてもいいレースを戦うことができました」

チームクルーとの記念撮影。チームクルーとの記念撮影。

今回のレースではホンダ勢が表彰台を独占、2位ディクソンに続く3位にはセバスチャン・ブルデー(#18 Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)が入っている。4位がシボレー勢最上位のジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske)。5~8位もホンダエンジン搭載車で、トップ8のうち7台をホンダ勢が占めた。

インディカー・シリーズ参戦10年目となった琢磨、これまでの優勝は2013年序盤のロングビーチ戦と2017年のインディ500、そして昨季終盤のポートランド戦だった。これだけ短い間隔で次の優勝を果たしたのは初めてで、レース単位では「4戦ぶり」ということになる。3季連続の勝利達成にもなった。

#30 佐藤琢磨はレースを支配して勝利した。#30 佐藤琢磨はレースを支配して勝利した。

これで当然ながら今季は自身初の年間複数勝利が視野に入ってくる。また、今季のポイントランキングでも3位に浮上し、首位ニューガーデンと34点差の位置に。まだタイトル争いのことを語るべき時期ではないが、そこへの本格参入も期待したいところだ。

次戦第4戦は伝統のロングビーチ市街地戦(カリフォリニア州)、琢磨が6年前にインディカー初優勝を飾った舞台である。琢磨の連続好走、初の2連勝を期待せずにはいられない状況となってきた。今回からの連戦日程となり、決勝は現地14日に開催される予定だ。

#30 佐藤琢磨はレースを支配して勝利した。#30 佐藤琢磨はレースを支配して勝利した。

《遠藤俊幸》

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