ナナハンブームの火付け役「ドリームCB750FOUR」も…ホンダ“CB”だらけの特別展

DREAM CB750FOUR
DREAM CB750FOUR全 40 枚
ホンダ『CB』だらけのイベント「ドリームCB750FOUR 誕生50年特別展示」が、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)内のホンダコレクションホールで始まった。

公開前日の4月5日、ホンダは報道関係者向けにその展示内容と『ドリームCB750FOUR』および『ベンリイ CB92スーパースポーツ』の実車を披露。元ホンダワークスライダーの宮城光氏によるデモ走行もおこない、美しいサウンドを響かせた。

◆日本製4気筒の高性能を世界に知らしめた


ドリームCB750FOURは世界初の量産4気筒OHCエンジンを搭載し、1969年に発売。当時のホンダは『スーパーカブ』の人気で2輪車の生産量は世界一となっていたが、アメリカなどの先進国で求められていた大排気量のスポーツバイクはまだなかった。

トライアンフやBMW、ハーレーダビッドソンなどに対抗できる性能と信頼性が求められ、グランプリマシンの直系であることをすぐに感じさせる4気筒・4本マフラーのマシンを開発し、69年1月のラスベガスでの全米ディーラー大会で発表。

アメリカでの大型バイクの価格が2800ドルから4000ドルだった時代に1495ドルの値段(日本での価格は38万5000円)を明かし、出席した2000人のディーラーからはその価格と製品に対して万雷の拍手が送られた。

このモデルの出現で、多気筒ビッグバイク時代が到来するとともに、日本製バイクの人気が海外で高まるきっかけをつくり、国内での“ナナハン”ブームの火付け役となる。

◆元祖CBは125cc、60年前に誕生!


また1959年に発売し、初めてCBのネーミングがつけられた市販スポーツモデルの元祖が『ベンリイ CB92スーパースポーツ』だ。バックボーンプレススチールフレームに、排気量125ccの空冷4サイクル2気筒OHCチェーン駆動エンジンを搭載。

車名が示すとおり“スーパースポーツ”の草分け的存在で、エンジンは高圧縮比、高回転、高出力(最高出力15ps/10500rpm)を誇り、最高速は130km/hに達する。第2回全日本モーターサイクル・クラブマンレース(浅間高原)で優勝を果たし、ホンダ車の高性能をアピールした。

館内の展示を見て気付くのは、CBシリーズは奇しくも10年刻みで後世に名を残す名車を生んでいることだ。59年に初のCBが誕生し、69年に世界市場を席巻したドリームCB750FOUR。そして79年には、優れた運動性能で大ヒットとなる『CB750F』が登場している。

◆レースでも大活躍し、実力を見せつけた


さらに『CBレーサーの血統』と題した展示では、CBが競技の世界でも大活躍してきたことを改めて認識させてもらえる。1967年のデイトナ200マイルに参戦した『CB450』をはじめ、70年にデイトナ200マイルで優勝した『CB750』、82年のデイトナ100マイルをフレディ・スペンサーによって征した『CB750F』など往年のレーシングマシンが勢揃いした。

ロケットのように細長い車体にCB750フォアのエンジン2基を積み、1971年のボンネビルにて世界最高速に挑戦した『ホンダホーク』も必見だ。

展示車両は以下の通り。
■ドリームCB750FOUR 誕生50年特別展示
ベンリイ CB92スーパースポーツ('59)
ドリーム CB72スーパースポーツ('60)
Triumph Bonneville T120R('61)
ドリーム CB450('65)
Kawasaki 500SS マッハIII('69)
ベンリイ CB125('69)
ドリーム CB350FV('69)
ドリーム CB750FOUR('69)
ベンリイ CB90('70)
ドリーム CB350エクスポート('70)
ドリーム CB450エクスポート('70)
ドリーム CB750P('70)
ベンリイ CB50('71)
Kawasaki 900 Super Four('72)
ドリーム CB350FOUR('72)
ドリーム CB500FOUR('72)
Suzuki RE-5('73)
ドリーム CB400FOUR('74)
ホークIII CB400N('78)
CB750K('78)
CB750F('79)
CBX('79)
CB250RS('80)
750 カスタム エクスクルーシブ('80)
CBX400F('81)
CB1100R('81)
CB1100F('82)
CBR400F('83)
CBX750F('83)
CB1100R('83)
CBR250FOUR('86)
CBR750スーパーエアロ('87)
CB400 SUPER FOUR('92)
CB750('92)
CBR900RR('92)
CB1000 SUPER FOUR('92)
CBR1100XX('97)
CB1300 SUPER FOUR('03)
CB1100('10)

■CBレーサーの血統
CB450レーサー(1967年:デイトナ200マイル)
CB750レーサー(1970年:デイトナ200マイル優勝)
ホンダホーク(1971年:ボンネビル世界最高速チャレンジ)
CB750Fレーサー(1982年:デイトナ100マイル優勝)
CBR1000RR(2005年:JSB1000シリーズチャンピオン)
CBR1000RRK(2006年:英スーパーバイク選手権シリーズチャンピオン)
CBR1000RR(2010年:鈴鹿8耐優勝)
など全27台

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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