初めてのスピーカー交換、全部教えます…性能を引き出すための取り付け方

市販スピーカーの一例(ビーウィズ・Refarence AM_Duo 165)。
市販スピーカーの一例(ビーウィズ・Refarence AM_Duo 165)。全 1 枚

「カーオーディオシステムの音を良くしたい」そう考えているドライバー諸氏に向けて、「スピーカー交換」をおすすめする短期集中連載をお届けしている。その第4回目となる今回は「性能を引き出すための取り付け方」について考えていく。

■まずは、“インナーバッフル”の用意がマスト!

ところで当特集の第2回目に、「スピーカー交換」をしようと思ったときには“カーオーディオ・プロショップ”が頼りになると説明した。なぜなら、スピーカーを取り付ける作業は「スピーカーを作る」作業に他ならず、そこにはさまざまなコツやセオリーが存在していて、“カーオーディオ・プロショップ”はそれらを熟知している。ゆえに頼りになるのだと説明した。

そのコツやセオリーを、今回から数回にわたって具体的に解説していく。当回は主に、ドアにスピーカーを取り付けるときのポイントを紹介していく。

さて、真っ先に挙げるべきなのは…。それは、「“インナーバッフル”を用意すること」である。

“インナーバッフル”とは言わば、スピーカーを取り付けるための“スペーサー”的な役目を果たすパーツだ。で、もしもこれを用いずにスピーカーをドアの鉄板に“直付け”すると、スピーカーの振動が鉄板に直接伝わり鉄板が共振しやすくなる。また、スピーカーの奥側が降りてくる窓ガラスと干渉してしまう。なので、共振を抑えるための音響パーツとして、スピーカーを立ち上げる“ゲタ”として“インナーバッフル”が必要となるのだ。

ちなみに“カーオーディオ・プロショップ”では多くの場合、“インナーバッフル”をワンオフする。取り付けるスピーカーに合ったものを、そして取り付ける車種のドア内部のコンディションに適したものを、1つ1つ専用に製作する。ただし、取り付け費用を抑えたいとなったときには市販品が使われることもある。そのあたりはショップとの相談になるが、作るにせよ汎用品を使うにせよ、“インナーバッフル”の使用はマストだ。そのことはぜひとも頭に入れておいていただきたい。

■「ドア内部の音響的なコンディションを整える」ために“デッドニング”は必要。

完成度高くカースピーカーを作り上げるためにはさらに、“デッドニング”と呼ばれる作業も必要となる。“デッドニング”とは何なのかというと、ひと言で言うなら「ドア内部の音響的なコンディションを整える作業」である。なので、“ドアチューニング”と呼ばれることもある。

“デッドニング”で行われる具体的なメニューは以下のとおりだ。1「鉄板の共振を止める作業」、2「スピーカーの裏側から発せられる音エネルギーを吸収・分散させる作業」、3「スピーカーの裏側から発せられる音が表側に回り込んでくるのを防ぐ作業」。主に行われるのはこれらだ。

なお、これらをどの程度行うかはケースバイケースだ。手を掛ければ掛けるほどコンディションを上げられるのだが、その分費用もかさんでくる。なので、効果と予算が天秤に掛けられて、作業内容が決められていく。

ところで、“デッドニング”作業をまったく行わない、というのはあまりおすすめできない。クルマのドアはオーディオ機器としては設計されていないので、音響的なコンディションはかなり悪い。それを改善させる方向に持っていければ、交換するスピーカーの性能をより引き出すことが可能となる。なので極々簡単なメニューにとどめるにしても、改めて後から行うにしても、何らかは必ず実行したい。このこともぜひとも覚えておいていただきたい。

■適材適所で部材が使い分けられ、ドア内部の音響的なコンディションが高められていく!

続いては、“デッドニング”で行われる各作業について、それぞれの必要性や具体的な作業内容を紹介していく。

まずは、「鉄板の共振を止める作業」について。ドア内部の鉄板は、とにもかくにも共振しやすい。特にスピーカーを交換すると、性能が上がるのでより大きな音を出せるようになる。結果、裏側から発せられる音エネルギーもますます増大し、鉄板は一層ビビりやすくなる。ビビり音が発生すればすなわち耳触りだし、微細なレベルでの共振であったとしてもスピーカーの音を濁らせる。

それらを防ぐためには、“制振材”と呼ばれるシートが貼られることとなる。“制振材”にもさまざまな種類があるので、“カーオーディオ・プロショップ”では適材適所で部材を使い分け、効果的に施工していく。

次に、2「スピーカーの裏側から発せられる音エネルギーを吸収・分散させる作業」について説明しよう。これを行う目的は主に2つある。1つは、「鉄板の共振を抑制するため」。共振の原因となるのはまさにスピーカーの裏側から発せられる音であるので、原因を縮小させることが目指されるというわけだ。もう1つは、「裏側から発せられる音エネルギーがスピーカーに跳ね返るのを防ぐため」。音エネルギーがスピーカーに跳ね返ると、振動板の動きに悪影響が出てくる。余計な負荷が掛かってしまうからだ。なので“吸音材”や“拡散材”が用いられ、裏側から発せられる音エネルギーの吸収や拡散が図られる。

もう1つ、3「スピーカーの裏側から発せられる音が表側に回り込んでくるのを防ぐ作業」、について説明しよう。スピーカーの裏側から発せられる音は、耳で聴く分には表側の音と同じなのだが音波としては真逆の関係となっている。もしも、真逆の関係となっている音波同士が空気中で交わると…。“打ち消し合い”というやっかいな現象が引き起こされる。それを防ぐために裏側の音をドア内部に閉じ込めることが目指され、鉄板の“穴(サービスホール)”を塞ぐ、という作業が行われる。

これらを行うことで、ドア内部の音響的なコンディションは高められていく。結果、交換したスピーカーの性能を一層引き出すことが可能となる、というわけなのだ。

さて次回は、スピーカーの性能を引き出すための、その他のテクニックについて解説していく。乞うご期待。

初めての「スピーカー交換」。楽しみ方、全部教えます! Part4「性能を引き出すための取り付け方とは?」

《太田祥三》

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