【三菱 eKクロス 新型試乗】市場に一石を投じるモデルであることは間違いない…中村孝仁

軽ハイトワゴンの中でもひときわ存在感を示す

正直なところeKを買うならクロスがお勧め

プロパイロット改め「MIパイロット」が設定できる

三菱 ekクロス(ターボ 4WD)
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軽ハイトワゴンの中でもひときわ存在感を示す

「エンジンはルノー製と伺っていますが?」と単刀直入に質問をぶつけたのは、NMKVの代表取締役副社長にして最高執行責任者の鳥居勲氏であった。

そして答えは、「正確には違います。確かにルノーの設計図がベースになっていますが、それを日産で新たに興し直したものが今回のエンジンです」であった。つまり『トゥインゴ』などに使われているエンジンをベースに、日産で新たに起し直し、CVTとの相性などを考慮して新設計したものだという。

今回の『eKクロス』はeKシリーズの中で三菱の独自性を高く詰め込んだモデルで、従来カスタムと呼ばれていたモデルの生まれ変わり。言わば兄弟車でもある日産『デイズ』にはこの個性的な面構えを持つモデルは存在しない。

ダイナミックシールドと名付けられた三菱の新しいデザイン・ランゲージは、以前から使われていたものだが少し前に誕生した『デリカD:5』で顕著な存在感を示し、このeKクロスで馴染んできた印象が強い。軽自動車にしては相当に個性的で、ハイトワゴンというカテゴリーの中にあってひときわ高い存在感を示すモデルといって過言ではない。

正直なところeKを買うならクロスがお勧め


先代のモデルから開発は日産とのジョイントベンチャーで誕生した新会社NMKVで行われていたのだが、元々軽自動車の開発ノウハウがなかった日産に対し、それを有していた三菱という関係もあって、先代モデルは三菱色が色濃く反映されていた。しかし、今回のモデルに関してはNMKV内でも日産が主導的立場に立って開発が進んだモデルということで、とりわけ骨格を共有する『eKワゴン』の方は、グリル以外に兄弟車でもある日産デイズと違いがなく、特徴を出しにくいが、逆にeKクロスは完全に三菱のデザイン・エッセンスでまとめられているから、正直なところeKを買うならクロスがお勧めである。

それにしても驚かされたのは、10年前に市場調査を行った時に軽自動車を選ぶ理由としてトップに上げられていたのは、ランニングコストの安さ。ところが2018年の調査では何と車体色が軽自動車選びの決め手なのだという。だからeKは色に拘りがあって、特にeKクロスの2トーンカラーは、屋根の色が何と5色も用意され、すべてのボディ外板色に対してルーフが異なる色を持つという、かなり大胆な設定になっている。

試乗車として選んだのはイエローサンドメタリックにホワイトという2トーンで、新色である。さらに室内はオプションのプレミアムインテリアパッケージと呼ばれる合皮とファブリックを組み合わせた質感の高いものが使われ、ダッシュボードの上もベージュのカラーで仕上げるなど、室内はかなり上質な印象である。

プロパイロット改め「MIパイロット」が設定できる


今回のeKの大きな特徴としては、日産がプロパイロットと名付けた運転支援システムであるMIパイロットがオプション設定されたことだ。いわゆるACCと車線保持機能を合わせたもので、パッケージオプションでこれを選ぶと、ブレーキのオートホールドもついて来る。勿論プロパイロットそのもので、モービルアイ製のシステムである。軽自動車に装着するに際し、カメラやセンシングの品質を上級モデルに対し落としていないか日産で聞いたところ、全く同じだというから驚きで、実際高速で試してみても車線維持も前車との間隔を保つブレーキの制御も相当にきっちり行ってくれる。ホールドモードと込みのお値段は7万200円だそうだから、これは付けたいオプションだ。

少し気になったのは先に乗ったeKワゴンに対し、挙動がぴょこぴょこと落ち着きがなかった点。ここには理由があって、eKクロスの方は4WDであることによってリアサスペンションの構造が異なることと、eKワゴンに対しタイヤサイズが大きい事(155R15)で、どうやら理由はここにあるらしい。

いずれにせよ使い勝手に優れ、シートもホールド性こそ必ずしも良いとは言えないが、快適でたっぷりサイズを持つドライバーズシートは長距離で明らかに疲れにくそうであった。ハイトワゴン市場に一石を投じるモデルであることは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める

《中村 孝仁》

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