【スーパーフォーミュラ 開幕戦】鈴鹿オープニングラウンドが開戦、金曜フリー走行トップは新人アレックス・パロウ

トップタイムをマークしたアレックス・パロウ(TCSナカジマ)。
トップタイムをマークしたアレックス・パロウ(TCSナカジマ)。全 8 枚

開幕戦の予選日を翌日に控えた19日、三重県の鈴鹿サーキットで「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(SF)の金曜フリー走行(専有練習走行)が実施された。新人のアレックス・パロウがトップタイムをマークしている。

日本一速い男と日本一速いチームを決める国内最高峰シリーズがいよいよ開幕のレースウイークに突入。予選前日恒例の金曜フリー走行には今季参戦の11チーム20台(20人)が出走し、明日の予選~明後日の決勝への準備を進めた。この日の走行は12時40分から1時間5分、概ね曇り空の下で行なわれている(ストップ車両回収による赤旗中断が2回あり、当初予定より5分延長)。

走行前、あるチームのベテランエンジニアが「金曜は金曜の仕事をする」と話していたが、まさしくその通りで、金曜は各車の“走行状況”が予選のようには揃わないため、様々な意味でベストタイムの横比較は難しい。あくまでも参考順位ということにはなるが、この日のベストタイム順位で最速となったのは新人の#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/エンジンはホンダ)だった。タイムは1分38秒095。

実は#64 パロウ、セッション終盤には2度目の赤旗中断の原因となっており、少々ほろ苦なトップタイムではあるのだが、このオフのテストと同様に新人らしからぬ存在感をタイミングモニター上で示した。パロウ旋風とも呼ぶべき状況が開幕戦のレースウイークに入っても継続されている、そう言っていいだろう。

金曜のトップタイムをマークした#64 パロウのマシン。金曜のトップタイムをマークした#64 パロウのマシン。

#64 アレックス・パロウのコメント
「クラッシュもあったたけれど、クルマの状態はすごくいい。とてもコンペティティブだ。明日(の予選)に向けても僕たちには良いオプション(セッティング面などの選択肢)がある。目標? もちろん狙うのはトップ、ポールポジションだ。とても難しいことだと理解しているけど、可能性はあると思っている。より現実的なところとしては、予選でも決勝でもトップ5に入りたいと考えているよ。(デビュー戦で)それができたら素晴らしいことだと思う」

スペイン出身の22歳で、一昨年(2017年)には全日本F3でシリーズ3位となった実績も有するパロウ。実力に見合った昇格機会に恵まれない面もあったこれまでのキャリアだが、今年は大きなチャンスを得た。復活を期す名門ナカジマレーシング(監督は日本人初代F1フルタイムレーサーの中嶋悟さん)とともに、オフのテストからの快速ぶりをこのまま開幕戦の本番(予選~決勝)にも持ち込んで好成績をあげられるか、その動向が注目される。

2番手タイムを記録した#19 関口雄飛のマシン。2番手タイムを記録した#19 関口雄飛のマシン。

金曜フリー走行の2番手タイムはチャンピオン争い常連の#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)で1分38秒174、トップの#64 パロウとは0.079秒の僅差だった。

3番手にはレッドブルの次期F1候補生と目される#15 D.ティクトゥム(TEAM MUGEN/ホンダ)が続いている。#15 ティクトゥムは昨季もスポットでSFに出場していたが、今季は初のレギュラー参戦だ。4番手タイムは、移籍して新季を迎えたディフェンディングチャンピオン #1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。この日は8台が1分38秒台を記録している。

3番手タイムの#15 ティクトゥム。3番手タイムの#15 ティクトゥム。

今季のSFはニューワンメイクマシン「ダラーラSF19」の登場や、大幅なドライバー移籍など例年以上に話題豊富。F1やF2との連関性も近年は強まっており、国際的にも大きな注目を集めるなかでの新シーズン開幕となる。

直噴の2000cc直4ターボエンジンはホンダ/M-TECとトヨタ/TRDの2種で、ホンダ勢が9台、トヨタ勢11台。タイヤは全車ヨコハマ、ドライタイヤはミディアムとソフトの2スペックが供給され(ソフトはサイドウォールに赤帯あり)、予選と決勝にはそれぞれ使用に関しての細則が付帯する。

4番手タイムの#1 山本尚貴。4番手タイムの#1 山本尚貴。

SF開幕戦鈴鹿の公式予選(3段階ノックアウト方式)は明日20日の15時45分開始予定だ(午前中にフリー走行&スタート練習あり。全日本F3、2輪のJSB1000などと併催)。

《遠藤俊幸》

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