平均通過人員1万人以上の線区はわずか6%…2期連続で鉄道事業が赤字となったJR四国

JR四国の最新鋭特急型気動車2700系のイメージ。2019年度も引き続き導入される。
JR四国の最新鋭特急型気動車2700系のイメージ。2019年度も引き続き導入される。全 3 枚

JR四国は5月8日、2018年度の決算を発表した。

本業の鉄道事業では、安全・安定輸送を図るため、2700系特急型気動車の新製や軌道強化・修繕などを実施してきたが、平成30年7月豪雨などの影響により鉄道施設の被災や長期運休を余儀なくされ、旅客運輸収入は前年度より14億円の減収、営業収益も18億円の減収となった。

営業費などの経費や経営安定基金運用収益などの営業外損益、経常利益、特別損益を加味すると、前年度より赤字額が4億円減り2億円となったものの、鉄道事業単体では2期連続の赤字となっている。

一方、連結ベースの営業収益は、前年度より15億円減の498億円、営業利益は15億円悪化した114億円となったが、豪雨災害などの特別損失を計上したことなどにより、前年度より5億円増加した8億円の黒字となり、4期ぶりに増益。6期連続の黒字となっている。

しかし、JR四国の鉄道路線を取り巻く環境は依然厳しさが続いており、決算と同時に発表された2018年度の「お客様のご利用状況」によると、1km当たりの1日平均旅客輸送人員を示す平均通過人員は、JR四国全線で4520人となっており、前年度より210人減少した。

平均通過人員のうち、1万人以上の線区はわずか6%に留まっており、2000~4000人の線区が41%、1000人未満の線区が20%も占める状況となっている。

このうち最も多い線区は予讃線高松~多度津間で2万4441人、最も少ない線区は牟岐線牟岐~海部間の212人となっている。また、北宇和島駅(愛媛県宇和島市)と若井駅(高知県四万十町)を結ぶ予土線は、牟岐~海部間よりも平均通過人員が100人多い312人となっているが、路線単体としては最も少なく、フリー切符の利用を加味しない場合は186人に留まるという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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