最優秀鉄道車両に小田急70000形GSE…ブルーリボン賞・ローレル賞選定 2019年

2019年「ブルーリボン賞」に輝いた小田急70000形GSE。
2019年「ブルーリボン賞」に輝いた小田急70000形GSE。全 11 枚

鉄道友の会は5月23日、2019年の「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」を発表した。ブルーリボン賞には小田急電鉄(小田急)70000形が、ローレル賞には相模鉄道(相鉄)20000系と叡山電鉄(叡電)デオ730形「ひえい」が選定されている。

1958年に制定されたブルーリボン賞は、鉄道友の会の選考委員会が最優秀とした車両へ授与する賞。1961年に制定されたローレル賞は、選考委員会が選んだ候補車両を会員の投票結果を参考に選考委員会が審議し、優秀と認めた車両へ授与する賞。

選定候補はともに前年1月1日~12月31日に国内で運行を開始した営業用の新形式車両またはそれに準じる改造車両で、今回の選定では10形式が候補となっていた。

小田急車のブルーリボン賞受賞は2009年の60000形(MSE)以来、叡電車のローレル賞受賞は1998年のデオ900形以来で、相鉄車は両賞通して初の受賞となった。

ブルーリボン賞を受賞した70000形は2018年3月にデビュー。「優雅さ」を表す「Graceful」を用いたGSE(「Graceful Super Express」の略)の愛称で親しまれており、赤をベースにしたスタイリッシュな車体が大きな特徴。2005年にデビューした50000形(VSE)以来の展望席も設置されている。

選定理由にはこれらの点が挙げられており、「最新の設備・技術を惜しみなく導入してユニバーサルデザインの積極推進や環境負荷の低減を図るなど、現代の鉄道車両のトレンドリーダーにふさわしい極めて高い完成度に仕上げられている」ことが評価された。

ローレル賞を受賞した相鉄20000系は、2022年度下期に開業する予定の相鉄・東急直通線(羽沢横浜国大~日吉)に対応した新型車両で、2018年2月に先行デビューした。車体色に「ヨコハマ・ネイビーブルー」と呼ばれる濃紺色が採用され、立体的でインパクトのあるデザインで通勤型車両のイメージを打ち破ろうとする意欲的な車両となっている。

ローレル賞の選定ではこの点が評価されており、「共通化という前提の下で限られた独自性を見出す車両が増加する中にあって、明確なコンセプトを策定した後に共通化に対応させるという意欲を鮮明に打ち出した車両」であることが選定理由に挙げられている。

相鉄20000系とともにローレル賞を受賞した叡電デオ730形「ひえい」は、鞍馬線用のデオ900形「きらら」に続いて2018年3月にデビューした叡山本線用の観光列車で、比叡山や琵琶湖へ向かう観光の足となっている。

楕円をモチーフにした独特の車体が特徴で、「叡山本線にも新たなデザインの特別料金不要な観光列車を定着させて国内外からの来訪者に対応し、同時に沿線の通勤通学輸送に潤いをもたらすよう貢献している」点が評価された。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型スバル『フォレスター』のエキゾーストをアップデート! ブリッツ「ニュルスペック・カスタムエディション」発売
  2. 【BMW R1300RT 試乗】200km/hクルーズの快適さは、もはや飛行機レベル…佐川健太郎
  3. 車中泊のトレンドに変化あり? 乗用車ベースが伸びてくる可能性…キャンピングカーランキング 6月
  4. 著しい高速度で走行中に死亡事故、運転者に実刑を命じる
  5. 「1秒で着脱できる」バイク用インカム『H6』が新発売! 高音質で快適ツーリング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る