運転手異常時ブレーキ「3.2秒」を体感…国産初の連節バスに採用[動画]

いすゞと日野が共同開発した、国産初の連節バス(2019年5月24日/ジェイ・バス宇都宮工場)
いすゞと日野が共同開発した、国産初の連節バス(2019年5月24日/ジェイ・バス宇都宮工場)全 8 枚写真をすべて見る

「緊急停止、おつかまりください!」と車内に自動アナウンスが流れ、ゆるいブレーキが3.2秒。クラクションが繰り返し高鳴り、ハザードランプが点灯、LEDブレーキランプが激しく点滅し急制動。これが、路線バスで世界初採用の運転手異常時ブレーキの瞬間だ。

いすゞと日野は、共同で開発した国産初ハイブリッド連節バスに搭載されたドライバー異常時対応システム「EDSS」(Emergency Driving Stop System)を体感できるデモンストレーションを、ジェイ・バス宇都宮工場で5月24日に実施。3つのパターンにわけてその急制動を体感した。

立っている乗客を配慮した3.2秒

このドライバー異常時対応システム EDSS は、運転席の右側、運転手の右ひざ付近と、運転席直後のポール、後車室の3か所に設置した赤いボタンを押すことで作動する。想定される作動イメージは、「運転手自身が異常を感じて右ひざ付近の赤いボタンを押す」「乗客が運転手の異常を感じて運転室直後にある赤いボタンを押す」「後席の人が異常を感じて押す」の3通り。

今回の EDSS 緊急停止デモンストレーションでは、「運転手自身が押す」「乗客が押す」「乗客が誤って押したときに乗務員がキャンセルする」という3つのシーンをみせてくれた。

特徴は、ボタンが押されたあと、3.2秒という間はゆっくりとブレーキが入っていく点。これは、観光バスタイプのように座席に乗客すべてが座っているのと違い、立っている客に考慮した3.2秒。この3.2秒の間に、「このあとバスが急停止する」ということを立っている人に知らせ、身構える時間をつくる。そのあと、バスに急ブレーキがかかりクラクションを鳴らしながら停止するという流れ。

デモでは、急停止後にサイドブレーキを入れ、イグニッションを再起動して EDSS システムを解除するといった一連の流れもみえた。

次世代都市交通システムを想定したITS技術も搭載

いすゞと日野が共同開発した、国産初の連節バス(2019年5月24日/ジェイ・バス宇都宮工場)また、この国産ハイブリッド連節バスには、次世代都市交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)で走るシーンを想定した専用ITSも採用。プラットホーム正着制御、協調型車間距離維持支援システム(CACC)、定時運行をめざした公共車両優先システム対応、死角をなく視覚支援システムなどが搭載されている。

プラットホーム正着制御は、専用誘導線が設置された道路のうえを行くと、車載カメラが誘導線を認識、操舵・減速制御をアシストし、ホームと中扉の間は30~60mmのすき間で、前後停止位置は0~500mmの位置で止めてくれる。

また、「廃止した鉄道路線などを自動車専用道やバス専用道に転換して路線バスを走らせるといったシーンでも活用を想定している」という協調型車間距離維持支援システム(CACC)は、先行車・追従車が通信でつながり、車間変動をおさえ後続車の加減速をスムーズにすることで遅れの少ない運行を実現させるというもの。

ハイブリッド連節バス発表会・走行体験会では、「いつごろ販売されるか」「価格は」「販売目標は」といった質問が新聞記者などからあがったが、いすゞと日野は、「今回は共同開発モデルを公開するというところまで。販売時期やプライスは、近日中に発表する予定」と話していた。

《大野雅人》

この記事の写真

/

ピックアップ

Swipe

Next
/article/2019/05/26/322767.html/article/2019/05/26/322766.html/article/2019/05/26/322768.html