屋根付きの2輪EV「AD-4」が世界初公開、伊デザイン・日クオリティを武器に

ADIVA AD-4
ADIVA AD-4全 21 枚

イタリアンブランドのスクーターメーカーADIVA(アディバ)は、5月30日にイタリア大使館にて開催されたイタリア共和国建国記念レセプションにおいて、2輪EV『AD-4』を世界初公開した。

【画像全21枚】

「AD-4」は270kmのEV走行が可能

ワールドプレミアしたAD-4はスクータータイプのEVである。以前販売していたプジョー製エンジンを搭載していた3輪スクーターの『AD-1 200』のルーフ周りやリアの大型トランクを踏襲し、2輪EVスクーター『VX-1』をベースに作られた。

400ccエンジン並みの最高出力を発揮し、高速走行やタンデムでも余裕の走りを実現するという。販売開始は2019年6月を予定している。

ADIVA AD-4ADIVA AD-4
ADIVAマーケティング部の成田裕一郎氏によると、ベースとなったVX-1は「大型の電動の乗り物としてはテスラよりも以前から販売している」と長く販売していることから、製品としての安定性を強調。さらに、「当時はニッケル水素で航続距離は60kmほどだったが、現在はリチウムイオン電池や様々な性能も向上したことから270kmほどの走行が可能」とした。

日本でのターゲットユーザーについて成田氏は、「まだまだニッチなので、模索中」としながらも、「(ADIVAのEVスクーター全体として)四輪のEVを持っている人が多そう」という。その理由については「EVアレルギーがなく、利点をすごく分かっているからだ」と話す。

充電に関しては、交流の100Vと200Vが用意され、100Vの方は100Vのコンセントで充電が可能。CHAdeMOの急速充電に関しては開発中で年内には展開したいとのことだった。

イタリアンデザインのジャパンクオリティ

ADIVA AD-CargoADIVA AD-Cargo
もう1台、ADIVAとして力を入れているのが『AD-Cargo』だ。2011年に3輪EVの『カーゴ3』を日本郵政が採用。そのフィードバックを受けフルモデルチェンジしたのがこのAD-Cargoだ。通常のEVモデルのほかに、V2Hモデルも用意される。つまり、AD-Cargoに電気を貯めてその電気を家で使うことも可能なのだ。

「これまではソーラーパネルで充電した電気は、電力会社が買ってくれていたが、だんだん値段がつかなくなってきている。そこで、昼間貯めた電気を夜使おうなどの動きが出てきている」という市場の動きを踏まえ、「ソーラーパネルをお持ちの方は、どんどんV2H機器を購入しているので、AD-Cargoがその代わりになれば」と説明。さらに、AD-Cargoは原付免許で乗ることができることも大きなメリットとなろう。

今後ADIVAのEVモデルは日本工場で製造することになるので、「特にAD-Cargoは日本市場で多くを販売したい」とその意気込みを語る。そして、「現在ADIVAのデザインはイタリアで、中身の研究開発はイタリアと日本の両方で行われている。組立は日本でも行うので、いわばイタリアンデザインのジャパンクオリティという一番良い組み合わせになる」と述べた。

不便、不満をなくして安全な乗り物に

ADIVA AD-4ADIVA AD-4
ここで少しADIVAについて振り返っておこう。ADIVAは1996年にイタリアで誕生したスクーターメーカーで、創業者はニコラ・ポッツィオ氏。彼は開発者などではなかったというがオートバイなどの乗り物が好きで、通勤でスクーターを使っていたという。しかし、「雨が降ると濡れて嫌であるとか、荷物が載せられないなどの不満があった。そこで自宅のガレージでスクーターに屋根やドアをつけ、またトランクをつけて荷物が載せられるようにした。もともと物を作るのが好きだった」と成田氏。

ADIVAのタグラインは“Advanced Vehicle。「進化した乗り物という意味。あえてモーターサイクルとはいわずビークルとしている。ヨーロッパは古いブランドが多い中で、我々は圧倒的に若い。それを良い点として捉えて、こだわりを持っていない。従って雨が嫌なら屋根をつければ良く、荷物が積めなければトランクをつければいい」とブランドの考えを話す。そして安全面においても「2輪の場合は転ぶ時は前輪から転ぶ。そこが一番危ないので、それであれば増やしてしまえばいいと前輪を3輪にしたモデルを開発。不便なものや不快なもの、危ないものはどんどんなくしていこう。新しいものはどんどん取り入れていこうというのがADIVAの考えだ」と語る。

またEVに関しても、「世の中の流れを考えればガソリンからEVへ移行していく。趣味的なオートバイは(エンジン付きで)残るだろうが、コミューターや道具系のものは絶対的にEVの方が優位になるべき。おそらく5年もしたら世の中はガラッと変わっているだろう」と予測。

そこで、「我々は新しいことをやっていこうと、いち早くEVにシフト。EVに関しての環境も一気に整備されていくことから、EVに力を入れていく」とした。

奥から順にADIVA AD-4、AD-1、AD-Cargo奥から順にADIVA AD-4、AD-1、AD-Cargo

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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