ポルシェ ボクスター に幻のスピードスター…伝説の909の再来プロジェクト

市販化を模索する研究開発プロシェクトによって2015年にボクスター ベルクスパイダーを製作

3.8リットルフラット6は最大出力393ps。1099kgの軽量ボディと組み合わせ

結局市販化には至らずボクスター ベルクスパイダーは幻に

ボクスター・ベルクスパイダー
ボクスター・ベルクスパイダー全 10 枚

ポルシェは6月1日、『ボクスター』ベースのワンオフモデル、「ボクスター・ベルクスパイダー」(Porsche Boxster Bergspyder)を発表した。

[909ベルクスパイダー]

ボクスター・ベルクスパイダーは、伝説のポルシェ『909』の再来を目指したワンオフモデルだ。909は1968年、ポルシェが『910』をベースに、欧州ヒルクライム選手権に参戦するために開発したレーシングカーだった。

ポルシェ909は、アルミ製フレームにFRP製ボディパネルを組み合わせ、384kgという軽量さを実現。この軽量ボディに、最大出力275hpを引き出す排気量2.0リットルの水平対向8気筒ガソリンエンジンを搭載していた。このポルシェ909が、欧州ヒルクライム選手権において、ライバルのフェラーリに一矢報いる活躍を見せたのだ。

市販化を模索する研究開発プロシェクトによって2015年にボクスター ベルクスパイダーを製作

「ベルクスパイダー」とは、このポルシェ909の通称だ。ボクスター・ベルクスパイダーは、このポルシェ909の再来を目指したワンオフモデルになる。ポルシェ取締役会は2015年、開発部門に最新のボクスター(981型)をベースにしたスポーツカーの研究開発プロジェクトに取り組むよう命じた。そこで、ポルシェの開発部門が製作したのが、ボクスター・ベルクスパイダーだ。

ボクスター・ベルクスパイダーはベース車両のボクスターに対して、フロントウインドスクリーンを廃止し、スピードスターボディとした。小型のウインドディフレクターのみが装着される。さらに、インテリアは、シングルシーターに変更した。ポルシェのエンジニアとデザイナーは、フロントからミッドシップのエンジンルームまでを覆うカバーを製作。シートはイミテーションレザー製の防水仕様となっており、1954年のポルシェ『356スピードスター』に敬意を表した。カーボンファイバー製のコンポーネントも採用されており、カーボンファイバーは、フロントリッドとエンジンカバーなどの素材として使用されている。

ダッシュボードは新設計され、ポルシェのプラグインハイブリッド(PHV)スーパーカー、『918スパイダー』の要素を取り入れた。シートにも、918スパイダーの技術を応用する。本来の助手席の部分には、ヘルメットや運転席の取り外し式カバーなどが収納できる。

3.8リットルフラット6は最大出力393ps。1099kgの軽量ボディと組み合わせ

ミッドシップに搭載される3.8リットル水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジンは、『ケイマンGT4』用がベースとなっており、最大出力393psを獲得する。断熱材の使用を抑えるなどの軽量設計によって、車両重量は1099kgに抑えられた。この結果、ボクスター ベルクスパイダーは、パワーウェイトレシオが2.8kg/psとなり、0~100km/h加速を4.0秒で駆け抜け、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいて、およそ7分30秒のラップタイムを実現するという。

結局市販化には至らずボクスター ベルクスパイダーは幻に

2015年に製作されたボクスター・ベルクスパイダーは、その後、走行テストなどを行ったが、結局、市販化には至らなかった。ポルシェは、オーストリア・ガイスベルクで開催されるヒルクライムレースにおいて、このボクスター ベルクスパイダーを初公開する、としている。

《森脇稔》

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