ホンダは7月4日までに和光ビル(埼玉県和光市)で開いた「ホンダミーティング2019」で新たに開発した電気自動車(EV)用の基本骨格のアーキテクチャーを公表した。今後開発するEVに適用し、コスト低減や開発の効率化につなげていく。
アーキテクチャーの構造は前後輪で50対50の重量配分とし、フロア部にバッテリーを収容して低重心化を図っている。2輪駆動(2WD)と4輪駆動(4WD)に対応し、2WDでは後輪駆動とし、モーターなどの駆動ユニットは後輪付近の固定した位置に置くようにする。4WDの場合は、前輪付近にも駆動ユニットを配置する。
フロアの地上高やドライビングポジション、さらにバッテリーの搭載量を「可変」できるようにし、幅広いモデルへの展開を可能としている。ホンダは車両の電動化推進に当たっては、日米や中国などで、多様なメーカーのバッテリーを調達する方針であり、EVアーキテクチャーのバッテリー収容ユニットは世界からの調達品に対応できるようにする。
本田技術研究所のパワーユニット開発を統括する松尾歩常務執行役員は「EVであっても、爽快な走りと広い室内空間をつくり出す高効率パッケージというホンダのクルマ作りは変わらない。このアーキテクチャーによってさまざまなお客様のニーズにお応えできる」と指摘している。
EV用バッテリーモジュール(ホンダミーティング2019)展開できる車型についてはSUVとセダン、さらに『ヴェゼル』級のCUV(コンパクト・ユーティリティ・ビークル)などとなる。車両のセグメントについては、中大型級である「Dセグメントまでカバーしていく」(松尾常務)という。
ホンダは、3月のジュネーブモーターショーで、新型EVの『ホンダe』プロトタイプを発表しているが、今回のEVアーキテクチャーの採用は部分的であり、今後は「早い段階でこのアーキテクチャーによる商品化を進めたい」(同)考えだ。
ホンダEVアーキテクチャー