[最新プロセッサー事情]パワーアンプ内蔵DSPの具体例

パワーアンプ内蔵型DSPの一例(JLオーディオ・VX600/6i)。
パワーアンプ内蔵型DSPの一例(JLオーディオ・VX600/6i)。全 4 枚

カーオーディオでは、サウンドを制御するためのユニットである“プロセッサー”が大活躍する。さまざまなタイプの製品がいろいろなシーンで用いられている。さて、実際のところはどんな製品があるのか、その最新事情をリポートしている。

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第6回目となる今回は、“パワーアンプ内蔵DSP”の具体例を紹介していく。

“DSP”の恩恵を手軽に得たいと考える人には、小型タイプがおすすめ!

最初に、今回から読み始める方のために、“パワーアンプ内蔵DSP”とは何なのかを極々簡単におさらいしておきたい。“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)とは、音楽信号をデジタルの状態で制御する“プロセッサー”であり、“パワーアンプ内蔵DSP”とはその名のとおり、“DSP”と“パワーアンプ”とが一体化したユニットである。“単体DSP”と“外部パワーアンプ”とを別々に購入するやり方と比べて、導入のハードルが低いことが最大の特長だ。

で、今回はタイプ解説を具体例とともにお伝えしていく。まずは「小型であること」を最大のメリットとするタイプを紹介したい。実例として挙げるのは、アメリカン・ハイグレードカーオーディオブランドである“アークオーディオ”からリリースされているこちら、『DSP8 Univaersal』(税抜価格:10万円)という名のモデルだ。

当機は「iPhone5sを横に3台並べた程度」というほどの小型化が図られている。ゆえにシート下に楽々と収まるし、場合によってはグローブボックス内に設置することも可能だ。なのでインストールスペースの確保がしやく、取り付け工賃も比較的に少なくてすむ。

ちなみにいうと、“ハイエンドナビ”を導入するという作戦も“DSP”を手軽に導入するための魅力的な選択肢となるのだが、ナビを換えられない車種もある。その場合には、当機のような小型機を導入するのがもっとも手軽な作戦となる。

しかも、当機なら価格も比較的に手頃だ。しかしながらコントロールできるch数は多い(8ch)。これ1台で後々、フロント3ウェイ+サブウーファーという大がかりなシステムまでも構築可能だ。

ただし、小さいがゆえの不利点もある。それは「内蔵パワーアンプのパワーが小さめであること」だ。とはいえ、一般的なメインユニットの内蔵パワーアンプとは同程度のパワーが確保されているので、“ハイエンドナビ”と比べての遜色はない。

“DSP”の恩恵を手軽に得たいと思ったときには、当機のような“小型モデル”に注目しよう。

ch数を絞った“パワーアンプ内蔵DSP”もある!?

続いては、個性的なモデルを紹介してみたい。ドイツの実力ブランド、“グラウンドゼロ”からは、『GZDSP 4.80AMP』(税抜価格:10万円)という少々趣きが異なった“パワーアンプ内蔵DSP”がリリースされている。

どう特長的なのかというと、制御できるch数は「8」なのだが、内蔵されているパワーアンプのch数は「4」。つまり、“パワーアンプ内蔵DSP”と“単体DSP”との“あいのこ”といったような風情なのである。

さて、このようにパワーアンプのch数を少なくしたことで得られるメリットは何なのかというと…。それは、「低コスト化を図りながらも、1chあたりのパワーを確保できていること」だ。ちなみに内蔵パワーアンプの定格出力は、「80W×4(4Ω)」。一般的な外部パワーアンプと比べて見劣りしない。

なので、取り敢えずのスピーカーレイアウトが“フロント2ウェイ”だというのなら、当機を用いればそれを、リーズナブルに、かつパワフルに鳴らすことができるのだ。

その一方で、制御できるch数は「8」なので、将来的なシステム発展も可能だ。また、内蔵パワーアンプは2Ω接続や(130W×4)、4Ωブリッジ接続(240W×2)にも対応する。後にはフロントスピーカーを鳴らすためにもっと上級な外部パワーアンプをおごり、当機ではサブウーファーをドライブする、というようなやり方も可能となる。

つまり当機は、手頃な予算で2ウェイをしっかり鳴らすことができ、かつ、システムアップをするための基礎も築ける。まずは現実的にシステムを組み、同時に将来的な“夢”も思い描きたい、そう考える向きには当機はベストな選択肢となる、というわけなのだ。

高性能な“DSP”が内蔵されたハイエンドパワーアンプもある!?

もう1つ、さらに個性的なタイプを紹介したい。老舗アメリカンカーオーディオブランド“JLオーディオ”の、『VXiシリーズ』がそれだ。

どう個性的なのかというと、「主体は“パワーアンプ”」というところ。“DSP”と“パワーアンプ”が一体化した製品なのだが、メインはパワーアンプであり“DSP”は付属品、というような製品なのだ。

ただし、そうは言いつつも“DSP”は至って高性能だ。新しいだけあって(2018年の春に発売開始)、最新技術も多々盛り込まれている。しかし、パワーアンプがそれにもまして高性能。何を隠そう『VXiシリーズ』は、“JLオーディオ”のフラッグシップパワーアンプなのである。

なお、当シリーズは計8台のモデルでラインナップが構成されている。内訳は以下のとおりだ。1chモデル×2台、2chモデル×1台、4chモデル×1台、5chモデル×2台、そして6chモデルと8chモデルが各1台ずつ。

ちなみに“JLオーディオ”は、かねてから多chパワーアンプを豊富にリリースしてきた。「スピーカーシステムが大がかりになってもパワーアンプは1台ですんだ方が良い」、“JLオーディオ”はそう考えるユーザーをバックアップし続けてきたのだ。『VXiシリーズ』はいわば、そのポリシーが極まったシリーズとも言える。“DSP”までを内蔵させて一層システムをシンプル化できるようにした、というわけなのだ。

本格的なハイエンドシステムを合理的に構築しようと思ったら、『VXiシリーズ』があることを思い出そう。『VXiシリーズ』なら高性能な“パワーアンプ”と“DSP”を両得できる。

今回はここまでとさせていただく。次回は“単体DSP”についての現状分析を行う予定だ。お楽しみに。

最新“プロセッサー”事情、全方位解説! Part 6「“パワーアンプ内蔵DSP”の具体例」

《太田祥三》

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