ポルシェのEV『タイカン』、最新プロトタイプが走行 9月に正式発表へ[動画]

フォーミュラEの市街地コースをデモ走行

開発テストは最終段階に

ツインモーターは最大出力600ps以上

ポルシェ・タイカンの最新プロトタイプ
ポルシェ・タイカンの最新プロトタイプ全 4 枚

ポルシェは7月15日、米国ニューヨークにおいて、9月にワールドプレミアする予定の初の量産EVスポーツカー、『タイカン』(Porsche Taycan)の最新プロトタイプ車を初公開した。

フォーミュラEの市街地コースをデモ走行

ポルシェは、タイカンのプロトタイプによるデモンストレーション走行を「ポルシェトリプルデモラン」と名付け、中国、英国、米国の3か国で行った。カモフラージュされたポルシェ初のフル電動スポーツカーのタイカンのプロトタイプが、ポルシェの重要な販売市場の中国、英国、米国を3週間にわたって訪問している。

米国でのポルシェトリプルデモランの舞台となったのが、フォーミュラEのニューヨーク市街地コースだ。ポルシェのワークスドライバーで、2016年のルマン24時間耐久レースをポルシェ『919ハイブリッド』で制したニール・ジャニ選手を起用した。同選手は2019/20シーズンから、フォーミュラEに参戦するポルシェのドライバーも務める予定だ。タイカンの最新プロトタイプのルーフには、米国への敬意を表し、星条旗のカラーリングが施された。

開発テストは最終段階に

タイカンは、2019年9月のワールドプレミアを前に、約600万kmにもおよぶテスト走行を行う予定だ。ポルシェでは、EVにもエンジンを搭載したスポーツカーと同じ厳格なテストプログラムを受けることが求められる。これには、優れた性能の発揮に加えて、あらゆる気候条件における制限のない日常の使いやすさを証明することが含まれる。タイカンでは、バッテリーの充電、極端な条件下でのドライブトレインと車内の温度制御など、とくに要求の厳しい課題がテストに追加されている。

具体的には、北極圏からわずか数kmのスカンジナビアでは、雪と氷の上でのドライビングダイナミクスに関するポテンシャルを確認した。南アフリカでは、パフォーマンステストに加えて、連続的なパフォーマンスと再現性に関する最終調整を行う。ドバイでは、高温気候での耐久走行を実施し、過酷な条件下でのバッテリー充電をテストしている。

タイカンは、気温マイナス35度からプラス50度に及ぶ世界の30か国でテストされている。この30か国には、米国、中国、アラブ首長国連邦(UAE)、フィンランドが含まれる。開発の早い時期から、コンピュータシミュレーションと包括的なベンチテストが実施されたことにより、この過酷な開発テストプログラムは最終段階に入っている。

総走行距離はおよそ600万kmのうち、200万kmは耐久走行距離だ。テストの条件は、湿度が20~100%、標高は海面下85m~海抜3000mまで。充電に関しては、世界中のさまざまな充電技術を用いて、10万回以上のテストを繰り返している

ツインモーターは最大出力600ps以上

タイカンは4ドア、4セパレートシートを備えたEVスポーツカーだ。車名のタイカンとは、1952年以来、ポルシェクレストの中心にある跳ね馬のイメージに基づいており、「生気あふれる若馬」を意味している。

タイカンのパワートレインには、最大出力600ps以上の永久磁石シンクロナスモーター(PSM)を2基搭載する。0~100km/h加速は3.5秒以下で駆け抜け、0~200km/h加速も12秒以下の性能を発揮する。

また、このパフォーマンスに、EVでは前例のない連続的な出力レベルも付加したことにより、性能を損なうことなく幾度ものジャンプスタートを連続して行うことができる。1回の充電での航続は、500km以上(NEDC:新欧州サイクル)に到達する。また、最新の急速充電システムに対応。ポルシェによると、4分間の充電で100kmの走行が可能という。

ポルシェはタイカンの発売に合わせて、自宅や外出先で、インテリジェントな充電ソリューションを用意する予定だ。ポルシェの充電システムのデジタルプラットフォームには、欧州全域のさまざまなプロバイダの約7万の充電ポイントをカバーする。さらに、独自の急速充電ステーションと、欧州の「Ionity」、米国の「Electrify America」などの充電ネットワークが利用できる、としている。

《森脇稔》

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