【鈴鹿8耐】カワサキ26年ぶり優勝に「信じられない」「ジェットコースターのよう」

ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team Suzuka 8)
ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team Suzuka 8)全 7 枚

7月28日、鈴鹿サーキットで2018-2019 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第42回大会の決勝レースが行われ、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hが優勝。カワサキが26年ぶりに鈴鹿8耐の頂点に立った。

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ハスラム「ジェットコースターのようだった」

レースは序盤からファクトリー3チームが三つどもえの様相を呈した。Kawasaki Racing Team Suzuka 8HとRed Bull Honda、YAMAHA FACTORY RACING TEAMは何度もポジションを入れ替え、接戦を展開する。

しかし最後のスティントで走行を担当したKawasaki Racing Team Suzuka 8Hのジョナサン・レイがトップを走行中、S字で転倒を喫する。それも残り3分を切った最終局面でのことだった。この直後に赤旗が提示され、レースはそのまま終了。

その後、暫定の順位結果として、YAMAHA FACTORY RACING TEAMが優勝、2位がRed Bull Honda、3位がF.C.C. TSR Honda Franceとして表彰式が行われた。

しかしその後、この暫定結果が修正。Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hが優勝という暫定結果となった。

優勝したNo.10 Kawasaki Racing Team(2019年鈴鹿8耐)優勝したNo.10 Kawasaki Racing Team(2019年鈴鹿8耐)「今は何と言っていいのかわからないよ。信じられない」と、レイは決勝レース後の会見で語った。実は、修正された暫定結果が出るまでには少々時間を要しており、すでにレイやチームメイトのレオン・ハスラム、トプラク・ラズガットリオグルは鈴鹿サーキットを出ていたのだ。

「もうホテルに戻って、ジントニックを飲みながら夕食をとろうとしていたんだ。そうしたらマネージャーが来て、(結果が変わって)優勝となったということを聞いた。本当にびっくりして、走ってこっちに戻ってきたよ。とてもうれしく思っているし、驚いている」

ハスラムはこのときの気持ちを「ジェットコースターのよう」と率直に表現する。チェッカーまで残り3分を切って、レイは2番手のYAMAHA FACTORY RACING TEAMに対して十分なマージンを築いていた。そんな中で起こったレイの転倒、そして赤旗終了。霧散したと思われた勝利を、数時間後には手にすることがわかったのだ。

「いったんは(優勝を)あきらめていたから、気持ちがジェットコースターみたいだ。思い切りがっかりした気持ちだったところから、やっぱり勝ったんだ、という気持ちになって。あの瞬間(レイの転倒)では、優勝を失ったなと思った。すごくがっかりした気分だったよ。でも、最終的に勝ったということで、うれしい」

2人体制で臨んだ戦い

右:トプラク・ラズガットリオグル/左:ジョナサン・レイ(ともにKawasaki Racing Team Suzuka 8)右:トプラク・ラズガットリオグル/左:ジョナサン・レイ(ともにKawasaki Racing Team Suzuka 8)Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hはこの鈴鹿8耐を、レイとハスラムの2人で戦った。ライダー登録されていたラズガットリオグルは、レースでは走ることはなかった。若きスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーのラズガットリオグルは「すごく疲れたよ」と冗談めかして語った。「ずっと見ている8時間はきつかったよ」

このレイ、ハスラムの2人で走る戦略というのは、決勝日の朝に決定したことだという。

SBKの4連覇王者たる速さを何度も見せたレイは「今回の作戦としては燃費と安定性ということで、それがうまくいった。2人で走ったから、とてもクタクタになったよ。筋肉がつりながら走っている状態だった。でもそれでもあきらめずに頑張ったんだ」と語っている。

優勝したNo.10 Kawasaki Racing Team(2019年鈴鹿8耐)優勝したNo.10 Kawasaki Racing Team(2019年鈴鹿8耐)一方、レイのチームメイトであるハスラムは、「鈴鹿8耐のなかでも一番きつかった。ちょっと体調が悪かったから。僕のスティントでは、前半はいいのだけど後半はタイムが落ちてしまった。それを補ってくれたのがチームメイト(レイ)なんだ。そのあたりは(レイに)申し訳なかったなと思うんだ」と明かした。ハスラムはペースを落とし、ライバルたちに追撃を受けるシーンもあった。

これについてはレイが「レオンは本当によくがんばったと思う」とチームメイトを称える。

「実は、レオンは体調を悪くしてしまっていたんだ。お腹を壊したみたいでね、ずっと、トイレがとんでもないことになっているような状態だった。ほんとにがんばって、4スティントもベストを尽くしたと思う」

カワサキが26年ぶりに手にした鈴鹿8耐の勝利は、いくつものドラマを生みだした。

《伊藤英里》

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