JR東日本は7月29日、同社の社外向け広報誌『JR EAST』を2019年7月号を最後に休刊すると発表した。
発表によると、同誌6月号(夏号)に掲載された「『質の高いインフラ』の海外展開」と題した特集記事で不正が明らかになったことを理由としている。
この記事は、2013年3月号(春号)の『JR EAST』に掲載された浦田秀次郎早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授のインタビュー記事「インフラ輸出の条件」の一部が無断改変されて掲載。クレジットに「国際経済学者 浦野正次」という偽名が使われており、記事に載っている顔写真も浦田氏のものが一部加工されていたという。
JR東日本は「浦田教授の名誉を著しく棄損し、多大なご迷惑をおかけしたことについて、心よりお詫び申し上げます。発行側と編集制作側のチェック機能が正常に行われなかったことを深く反省しております」として、内外に信頼を失墜させたことを陳謝。今回の件を重く受け止め、休刊に踏み切ったとしている。
一般財団法人経済広報センターによると、『JR EAST』はJR東日本が発足した1987年に創刊された月刊誌で、JR東日本グループの経営方針や社会的な関心事などが掲載されている。
公称部数は月刊2万3000部で、グループ会社のジェイアール東日本企画が一般向けに頒布しているほか、新幹線の「グランクラス」車内などでも配布している。