【三菱 エクリプスクロス ディーゼル 新型試乗】明らかに「買い得」な濃厚ディーゼル…渡辺陽一郎

SUVに求められるクリーンディーゼル

「ディーゼルらしさ」が濃厚

減税額まで含めれば、明らかに買い得

三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)
三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)全 8 枚

SUVに求められるクリーンディーゼル

SUVはクリーンディーゼルターボの人気が高い。ボディが全般的に重く、背が高いから空気抵抗も増える。車種によっては悪路も走るため、実用回転域の駆動力を高めたディーゼルが合っている。

さらにディーゼルは燃費が優れ、軽油価格(正確には軽油に課せられる税額)も安いから、長距離を頻繁に移動するユーザーには経済的だ。これらの理由により、輸入車を含めてSUVはディーゼルの販売比率が高い。マツダ『CX-5』もディーゼルが60%を占める。

このような市場環境を背景に、『エクリプスクロス』にもディーゼルが加わった。直列4気筒2.2リットルで、最高出力は145馬力(3500回転)、最大トルクは38.7kg-m(2000回転)だ。チューニングは同じ三菱の『デリカD:5』と同じで、尿素水溶液により窒素酸化物を浄化する。

「ディーゼルらしさ」が濃厚

三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)
エンジンの性格は、古典的なディーゼルに近く、実用回転域の駆動力が高い。2000~3000回転で走ると、8速の有段ATが滑らかにシフトアップを続ける。高速道路の巡航も快適だ。

その代わりフルに加速しても、8速ATがDレンジに入っている状態では、3500回転でシフトアップする。吹き上がりは鈍く、CX-5の2.2リットルディーゼルが5000回転でシフトアップするのに比べると、ディーゼルの個性が強い。振動は抑えたが、独特のカリカリしたノイズは相応に響く。

このエンジンの印象は、ユーザーによって異なるだろう。旧来のディーゼルに不慣れであれば、違和感が生じる可能性がある。逆にかつてのディーゼルに親しんだユーザーなら、ディーゼルらしさが濃厚でむしろ歓迎するだろう。

減税額まで含めれば、明らかに買い得

三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)
ディーゼルの車両重量は、1.5リットルガソリンターボ搭載車に比べると、前輪荷重を中心に約130kg重い。足まわりの設定も異なり、ガソリンターボの機敏に曲がる運転感覚は薄れたが、車両の挙動は全体的に落ち着いた。

ディーゼルの価格は、「Gプラスパッケージ」同士の比較でガソリンターボより29万5920円高いが、クリーンディーゼルは燃費数値に関係なくエコカー減税が免税だ。そこで税額の違いを差し引くと、購入時の実質差額は約17万円に縮まる。減税額の違いまで含めると、エクリプスクロスではディーゼルが明らかに買い得だ。

三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)三菱 エクリプスクロス ディーゼル(ブラックエディション)

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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