[サウンド調整術入門]イコライザー…定在波って何?

サウンドチューニングアプリの設定画面(グラウンドゼロ・GZDSP 4-8X)。
サウンドチューニングアプリの設定画面(グラウンドゼロ・GZDSP 4-8X)。全 1 枚

カーオーディオの“聴こえ方”を良化させる役割を担う『サウンド調整術』について、そのあらましから操作方法までを多角的に解説している当コーナー。現在は「イコライザー」をテーマに進めている。今回は、「イコライザー」調整に関わりの深い“定在波”について考察する。

さて、“定在波”という言葉を耳にしたことがあるだろうか。この言葉はカーオーディオにおいては、「イコライザー」調整について語られるときに頻出する。難解な言葉であるのだが、「イコライザー」調整の解説の最後として、当ワードをクローズアップする。この機会に、改めてこの言葉の意味を知っていただこうと思う。

その前にまずは、音についての基礎知識からおさらいしておきたい。

音は、プールに石を投げたときに水面を伝う“波紋”のように、上がったり下がったりという動きを繰り返しながら空気中を進んで行く。この、上がって下がって元に戻るまでが“1周期”と呼ばれている。そして音は、音程の違いにより1秒間に何周期するかが異なってくる。低い音ほど回数が少なく、高い音ほど回数が多い。なお、1秒間に何周期するかは“周波数”として言い表される。

ところで、音程が高い音も低い音も、空気中を進むスピードは同一だ。音は1秒間に約340m進む。ということは“周波数”が「1」であるならば、“1波長”は約340mもの長さとなる。1000Hz(1kHz)の音の場合は、約340m進む間に1000周期するわけなので、“1波長”は約34cm、ということになる。このように、低い音ほど“1波長”は長くなり、高い音ほど“1波長”は短くなる。

ところで、平行する面で挟まれた空間があったとき、そこで音が鳴らされると音は2つの面の間を行ったり来たりすることになる。そのとき、2つの面の間の距離と、“1波長”の長さがぴたりと合ってしまうと、音は平行面の間を進まずに、その空間でとどまったような状態となる。これが“定在波”だ。

クルマの中は狭く、そして平行する面に挟まれた空間が存在しているので、何らかの“定在波”が発生しがちとなる。そしてこれが周波数特性を乱す原因となってしまうのだ…。

今回はここまでとさせていただく。次回は“定在波”によってどのような問題が引き起こされるのかを解説していく。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第4章「イコライザー」の調整方法 その7 “定在波”って何?

《太田祥三》

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