カーデザインの老舗、ピニンファリーナが観光列車をデザイン「ゴールデンパス・エキスプレス」

2020年12月からMOBを走るピニンファリーナの「ゴールデンパス・エキスプレス」
2020年12月からMOBを走るピニンファリーナの「ゴールデンパス・エキスプレス」全 1 枚

ピニンファリーナが新たな観光列車のデザインを発表した。2020年12月からスイス・アルプスで運行する。

フェラーリなどのカーデザインで有名なピニンファリーナだが、時計から航空機や建築まで、そのデザイン領域は幅広い。鉄道分野ではイタリア初の高速鉄道車両であるETR500(1985年運行開始)、ロンドンと欧州大陸の主要都市を結ぶユーロスターのe320型(2015年運行開始)がこれまでの代表作だ。

今回手がけたのは、レマン湖畔のモントルーとアルプス観光拠点のインターラーケンを結んで走る「ゴールデンパス・エキスプレス」。MOB(モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)が運行する。

風光明媚な路線だけに、MOBの売りは窓面積が広く、天井側にもパノラマウインドウを備えたパノラマ列車。「ゴールデンパス・エキスプレス」はその最新版だ。安全基準の強化に伴って先頭車両のレイアウトが従来モデルから変更になったが、大きな前面ガラスで風景を楽しめることに変わりはない。

「新しい安全基準は制約ではなく、我々の創造性を刺激してくれるものだった」と語るのは、ピニンファリーナでデザイン・プロジェクト・マネージャーを務めるアルフレッド・パルマ。「鉄道でも自動車でも建築でも、技術や法規のハードルを乗り越えて美しいものを生み出すことが我々のゴールだ」

技術面でも大きな進化がある。「ゴールデンパス・エキスプレス」の路線のうち、モントルー~ツヴァイジンメン間はレール幅が1000mmの狭軌、ツヴァイジンメン~インターラーケン間は1435mmの標準軌。そこを直通できるよう、いわゆるフリーゲージの台車を採用したのだ。

MOBは「ゴールデンパス・エキスプレス」のデザイン魅力と乗り換えが不要になる利便性向上により、利用者が年間150万人増えるとの期待を表明している。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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