スバル e-BOXER 誕生秘話、「1割の電動パワー」がもたらす“お客様価値”とは…名古屋オートモーティブワールド2019

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スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏
スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏全 8 枚

水平対向エンジンと電動技術を組み合わせたスバル独自のパワーユニットである「e-BOXER」が新型『フォレスター』に搭載され、販売開始からまもなく1年が経過する。

フォレスターの開発責任者を務める布目智之プロジェクトゼネラルマネージャーは「電動化の技術がありきで、電動化したわけではない」と、e-BOXER開発のねらいを語る。

「1割の電動パワー」がもたらす価値

e-BOXERを搭載するスバル フォレスター Advanceのエンジンルームe-BOXERを搭載するスバル フォレスター Advanceのエンジンルーム
スバルにとって国内や欧州の市場では、2リットルクラスが比較的主力のエンジンになっていた。「次に造る主力のエンジンをどういった味付けをしてあげれば良いのか」という時に出てきたのが、今のモーターの使い方の工夫だった。

「どちらかというと今までお客様に提供している2リットルのクルマに対して何か加えてあげたいという気持ちがあって、モーターの活用ということをスタートさせた」(布目氏)

そこで「エンジニアのみんなと、モーターって何が提供できるのだろうかということを、もう一度ゼロから考えた。フォレスターであるとか、SUVであるとか、そうしたものが提供できる価値に対して、お客様がしっかり使って頂けるように、ということを議論して、そういう方向のチューニングをした」という。

e-BOXERは、2リットル水平対向エンジン、高性能モーター、そしてリチウムイオン電池を左右対称、一直線上に配置し、パワーユニットの総称で、最高出力10kwのモーターがエンジンをアシストする仕組み。

スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏
このパワーユニットを使って実現させたかったことを布目氏は「レシプロエンジンでできなかったことは、やはりコントロール性だと思っている。例えば凍結した路面や整地が不十分な路面を生活道路にされている方は結構いて、そういう方々にとって本当に使いやすいというのは、(タイヤの)“ひと転がり”をちゃんと転がしてあげられて、タイヤがちゃんと置くべきところに置ける、ということ。電動化によって、モーターの1割のパワーがあると、それができる」と話す。

また「レシプロエンジンではやはり構造的に、圧縮して出す、みたいなパワーの出方をするが、電動化はゼロからリニアにパワーが使えるので、悪路で使う時にすごく使いやすくなる。これをエンジニアのみんなで体感して、『こういう使い方をしよう』ということを主軸のひとつにした。1割を足しただけのパワーで、こんな使い方ができるといううまい事例ができたと思っている」とも。

もちろんe-BOXERの良さが発揮できるのは凍結路面だけに限らない。「ひと転がり目のありがたみはどんな路面でも感じられると思っている」と布目氏は語る。

「一番わかりやすいのは、一般道を走っていて、ちょっと右に出たい、ちょっと左に出たいという時に、(アクセルを)ひと踏みする場面。そのひと踏みのレスポンスがe-BOXERはすごく良い。踏み出し加速のところで、しっかり『出たいだけ出る』というのは、すごいメリットだと思う。ある意味、実用の中で評価してもらえるクルマに仕上がっていると思っている」(布目氏)

「ハイブリッド」ではなく「e-BOXER」

スバル フォレスター Advanceスバル フォレスター Advance
スバルの電動化技術としては、すでに先代の『XV』や『インプレッサスポーツ』でハイブリッドモデルを市場投入しているが、スバルでは今回のe-BOXERをハイブリッドという言い方はしていない。

布目氏はその理由を「そもそもが2リットルエンジンにどういった味付けをしてあげれば良いのだろうか、お客様に提供できる価値として何ができるかを考えることからスタートした。たまたまそれがモーターを使うことだった。そういうことを考えて造ったクルマだということが誤って伝わる可能性もあるので、そこは徹底した方が良いと思った。BOXER(水平対向)エンジンをどう進化させれば良いのかを考えた答えのひとつがこれ。そういう意味では『e-BOXER』は良い名前だと思っている」と語る。

続けて「e-BOXERはバッテリーパックがフロアの下にあり、またモーターがあるから、その分、お客様の足元が窮屈になっているかというと、全然そんなことはない。新しいデバイスを造ったからといって、『絶対に引き算はしない』ということをルールとしていた。その条件の中で、どういうクルマを造れるかということで造ったのが、e-BOXER」とも述べた。

その上で布目氏は「e-BOXERを発売して1年が経過するが、現在も計画以上の台数を維持できている。クルマそのものの根本的な価値を、ちゃんと認めて頂いているのではないかと思っている」と振り返った。

名古屋オートモーティブワールドで語られる「e-BOXERの生い立ち」

スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏スバル 商品企画本部・プロジェクトゼネラルマネージャー 布目智之氏
その布目氏は9月18日からポートメッセなごやで開催される「第2回 名古屋オートモーティブワールド」の2日目(9月19日)の専門セミナー『独自の視点で開発するxEV、その戦略と開発ストーリー』に登壇し、「『お客様価値への拘り』が生み出した電動化技術、e-BOXERの魅力」をテーマに講演する。

「スバルがどういうことを考えてクルマを造っていって、それが結果的にe-BOXERという形になったという生い立ちをご説明したい」と布目氏は専門セッションに向けた思いを語る。

■本講演の詳細は
https://reed-speaker.jp/Conference/201909/nagoya/top/?id=AUTON

■第2回 名古屋オートモーティブワールド
自動運転、EV/HEV、カーエレクトロニクス、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における先端テーマに関する技術を持つ企業、370社が一堂に出展。今年は新たに世界中のスタートアップ企業が講演・展示する特別企画も開催。

■展示会のご入場には招待券が必要です。招待券請求(無料)受付中!
※招待券の事前登録により、入場料(5,000円)が無料になります。
https://contact.reedexpo.co.jp/expo/NWJN/?lg=jp&tp=inv&ec=AUTO

会期:2019年9月18日(水)~20日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:ポートメッセなごや
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第2回 名古屋オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

《小松哲也》

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