自動車運搬船がCO2を4割削減…LNG燃料、国内で初の建造

起工式の様子
起工式の様子全 1 枚

日本郵船は、LNG(液化天然ガス)を燃料にする自動車運搬専用船を新来島どっくに発注、起工式が9月20日、新来島どっくグループの新来島豊橋造船(愛知県豊橋市)で実施された。国内造船所で建造されるLNG自動車専用船では初となる。

本船は大型のLNG燃料タンクを備えた世界最大級の自動車専用船。自動車積載スペースの減少を最小限に留めるため、船幅拡張などの主要目の最適化に加え、貨物を積載するスペースを最大化するための設計に工夫を凝らし、1隻あたり約7000台(基準車換算)の輸送を可能としている。

本船は環境省および国土交通省の「代替燃料活用による船舶からのCO2排出削減モデル事業」の支援により、LNG燃料を最大限活用し、さらなるCO2排出削減を達成する技術の搭載、および実運航における技術実証を実施する予定だ。

環境性能としては、2025年に要求される国際海事機関(IMO)のEEDI規制フェーズ3の基準値を大幅に上回る約40%のエネルギー効率改善を見込み、従来の重油焚き機関と比べ硫黄酸化物(SOx)は約99%、窒素酸化物(NOx)は約86%の排出削減が見込める。

船舶の排気ガスによる大気汚染は世界的に重要な取り組み課題となっており、環境意識の高まりの中、船舶を取り巻く環境規制は年々強化されている。LNG燃料は、一般的な舶用燃料であるC重油に比べ、大気汚染物質や温室効果ガスの大幅な排出低減が期待でき、2020年1月から予定されているIMOが定めたSOx Global Cap規制にも対応可能でクリーンな燃料だ。

日本郵船グループはLNG燃料に早くから注目し、2015年にLNG燃料タグボート「魁」、2017年には世界初のLNG燃料供給船の運航を開始、LNG燃料販売事業を展開。また、昨年には資金使途の一部をLNG燃料船や燃料供給船に投資するグリーンボンドを発行するなどLNGへの燃料転換に積極的に取り組んでいる。

LNG自動車専用船は2020年秋ごろの竣工を予定している。

《纐纈敏也@DAYS》

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