アイシングループが ITS世界会議2019に出展…開発中のコネクティッド関連技術を披露

ITS世界会議シンガポール2019に出展したアイシングループ
ITS世界会議シンガポール2019に出展したアイシングループ全 15 枚

アイシングループは、開催中の「第26回ITS世界会議シンガポール2019」に出展。「The next frontier in mobility」のテーマの下、「乗る喜びを感じる」「あなたを見守る」「社会とあなたをつなぐ」の3つのうれしさを実現する、開発中のコネクテッド関連技術6つを披露した。

『リスク先読み支援システム』は、フロントカメラ映像、地図情報およびクラウド上のビッグデータから、回避が必要な走行中のリスクを先読みし、シーンに応じた運転行動をドライバーに提示する事を最大の目的とするシステムだ。技術的には昨年も披露しているが、今年は人工知能を使った推定の確率をできるだけ上げているのがのポイント。先行車が渋滞車線から入ってくるのを周囲の状況から予測し、ゆっくり歩いている人の後ろから早い人が抜き去るとそこに怪しいポイントが生まれてくる。これらを予測することで車輌の減速を行い、リスク発生を最小限に抑えることを目的とする。

『おもてなしサービス』の基本は、車室内やドライバーを検知する技術と車体製品の連携にある。乗員の動きや状況に合わせたドアの開閉やシートの調整、車体の連携、忘れ物のお知らせなどを行うことで、快適な移動のための“おもてなし”につなげていくのだ。

『路面状態推定』は、車載センサーやアクチュエーターのデータから路面状態を推定し、位置情報に基づいて収集したビッグデータから付加価値を生成していくというもの。クルマには多くセンサーが搭載されており、これらがセンシングとして機能することで路面状態の把握が容易になっていく。具体的には、ブレーキに装着されている車輪の状態をモニタリングして、常時データを吸い上げることで片側だけにバンプがあると片側だけ大きく揺れ、それがデータとして上がっていく。これをロケーションと合わせることで動的なプローブ情報としてクラウドに蓄積されていき、網羅性は著しく向上させられるというわけだ。

『物流支援』では、カーナビゲーションシステムで培われたルート探索技術と高精度な到着時刻予測技術をベースとしたもので、ナビの位置情報を使い陸送の高度化を進める。これによって、物流に最適化した運行ルートの作成や配送計画と現況との差分検出などを行えるようになり、クラウドサービスを通じて荷主や物流会社が運行状況をWEBサイトでリアルタイムに確認できる。ナビゲーションは推奨道路を案内するわけだが、陸送では到着時刻がとても重要になる。その正確性をどう担保していくかが重要となる。

すでに愛知県岡崎市で地域密着の運送会社と組んで実証実験を行っているとのこと。大手は既に自前でこのようなシステムは運用しているが、運送は孫請けする会社もいることで成り立っており、末端が滞れば大手にも影響は及ぶ。全体の陸送で対応することでよりスムーズな陸送の流れを作っていくことを目的にしているという。

『チョイソコ』は、地域の交通不便解消や外出促進に貢献する、オンデマンド乗り合いサービス。高齢者の健康増進につながる外出機会の促進を狙い、2018年より愛知県豊明市で運用を開始している。地域の公共交通機関とも連携を深めているのも特徴で、たとえば運用時間はドライバーの稼働率が低くなる昼間だけとすることで公共機関側にもメリットが生まれる。現在は愛知県豊中市で実運用されており、トヨタ系ディーラーとのコラボレーションで他自治体への展開も視野に入れている。

会場内で人気を呼んでいたのはパートナーモビリティ『ILY-Ai』だ。すでに世代を問わず移動をサポートすることで人気を呼んでいるが、今回はAIを駆使した新たな進化を遂げている。最大のポイントはフロントに装備した2つのカメラと2次元/3次元レーザースキャナーの搭載だ。カメラもレーザースキャナーも搭載はされていたが、今回はカメラの使い方を大幅に改良。前方を捉えられる範囲を大幅に拡大し、AI技術も組み合わせて追従すべきターゲットを見失わないようにした。

当面は屋内施設での利用を想定し、すでにショッピングモールでの実証実験も実施中。施設内を安全に走行できる技術を積み上げ、将来の公道走行に必要な衝突などのリスクを最小限にまで抑えていくことを目指す。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る