VW ゴルフ 新型、8世代目を発表…48Vマイルドハイブリッド採用

ひと目でゴルフと分かるデザイン

48VマイルドHVで燃費は最大10%向上

新クリーンディーゼルも設定

フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型
フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型全 21 枚

フォルクスワーゲンは10月24日、新型『ゴルフ』(Volkswagen Golf)をドイツ・ヴォルフスブルクで発表した。

ひと目でゴルフと分かるデザイン

ゴルフは、フォルクスワーゲンの主力車種だ。初代ゴルフは1974年に発表され、世界のコンパクトカーのベンチマーク的存在となった。新型ゴルフは8世代目モデルになる。

新型ゴルフには、効率的な新エンジンをはじめ、強化されたサスペンション、デジタル化されたコネクティビティ、最新の先進運転支援システム(ADAS)などが採用される。

エクステリアのデザインは、これまで以上にダイナミックでありながら、すぐにゴルフとして認識できるものとした。ヘッドライトやテールランプには、最新のLEDテクノロジーが組み込まれる。インテリアには、新鮮な色使いとファブリック素材を導入する。新世代コンパクトモデルらしいインテリアには、最新のデジタルコックピットが採用されている。フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型

48VマイルドHVで燃費は最大10%向上

新型ゴルフには、新開発のマイルドハイブリッドシステム「eTSI」が搭載される。欧州で導入車種が拡大している48Vのマイルドハイブリッドシステムを採用する。新型ゴルフでは、エンジンに48Vのベルト一体型スタータージェネレーターと48Vのリチウムイオンバッテリーを組み合わせる。高速道路など低負荷走行時には、エンジンを停止し、惰性走行することが可能だ。これにより100km走行あたり、燃料を最大0.4リットル節約する。率にして、最大10%燃費(WLTP計測)を向上させるという。

また、このマイルドハイブリッドシステムは、始動時に電気的ブーストをかけ、駆動トルクを増加させる小型軽量な発電機として機能する。これは、エンジンをスムーズに始動させるのが狙いだ。さらに減速時には、スタータージェネレーターはバッテリーに電力を蓄える機能も果たす。

新型ゴルフの48Vマイルドハイブリッドは、欧州での発売当初、排気量1.0と1.5リットルエンジン、デュアルクラッチトランスミッション(DSG)との組み合わせになる。エンジンの最大出力は110ps、130ps、150psとなる。フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型

新クリーンディーゼルも設定

新型ゴルフには、新開発のクリーンディーゼルエンジンも設定される。フォルクスワーゲンは2018年から、ディーゼルエンジンに、「SCR」(選択的触媒還元)と呼ばれる排気ガス処理システムを使用してきた。SCRは、排気ガス中の窒素酸化物を、大幅に削減する効果を発揮する。

フォルクスワーゲンは、SCRの進化バージョンとして、「ツインドージング」と呼ばれるシステムを開発した。このシステムでは、「Adblue」を直列に配置した2つのSCR触媒コンバーターの上流から注入する。Adblueは、排ガス中に含まれる窒素酸化物(Nox)を、水と窒素に分解する還元剤の役割を担うアンモニアを含んだ尿素水だ。

ツインドージングを行うには、車両に2つ目のSCR触媒コンバーターを装着することが必要になる。第2の触媒コンバーターの上流の排気温度は、エンジンまでの距離が長いため、およそ100度低くなる。これにより、排気ガスの後処理能力が拡大する。フォルクスワーゲンによると、排気ガス温度がおよそ500度に達するエンジン付近でも、システムは非常に高い変換率を達成できるという。さらに、SCRシステムの下流のブロッキング触媒コンバーターが、過剰なアンモニアスリップを防止する。

このツインドージングプロセスは、ディーゼルエンジンの欠点を補う。ディーゼル燃料はエネルギー密度が高く、燃焼プロセスがより効率的なため、最新のディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもCO2排出量が少ない。ただし、燃料の燃焼には空気が使われるため、ディーゼルエンジンにも特別な要件が適用される。空気の主成分は窒素であり、燃焼中に酸素と反応し、窒素酸化物を生成する。

アンモニアは、ディーゼルエンジンで生成される窒素酸化物を減らすために必要だ。そこでAdBlueを、SCR触媒コンバーターの上流の排気ガスに注入する。溶液は蒸発し、還元剤が分解され、蒸気と結合してアンモニアが生成される。SCR触媒コンバーターでは、アンモニアが窒素酸化物と反応して、無害な水と窒素に分解される。

従来の排ガス処理システムでは、ターボチャージャー、ディーゼル酸化触媒コンバーター、サイレンサーパイプの間に、SCR触媒が配置されている。SCRコーティングは、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)に使用されており、コールドスタート後でも、適切な排気ガス温度に迅速に到達する。フォルクスワーゲンによると、変換率が90%を超える理想的な温度は、220~350度になるという。

ツインドージングシステムのおかげで、排気ガス温度が350度を超えても、変換率が下がることはないという。 350度レベルの温度は、たとえば、高速道路での長時間走行、エンジンを高回転まで回しての長時間走行、フル積載のトレーラーをけん引して上り坂を走行する時などに到達する。

ツインドージングを備えた新開発の2.0 直列4気筒ターボディーゼル「TDI Evo」では、NOxの排出量は従来ディーゼルと比較して、およそ80%削減される。フォルクスワーゲンは、将来の「Euro 6d」排出ガス基準の技術要件をすでに満たす、としている。

《森脇稔》

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