[カーオーディオ音質向上“もうひと手間”]外部パワーアンプシステムによる向上策

安定化電源の一例(ビーウィズ・V-50R)。
安定化電源の一例(ビーウィズ・V-50R)。全 2 枚

スピーカー交換を行った後の効果的な音質向上策をさまざま紹介してきた当短期集中連載。今回はその最終回としてこれまでとは少々趣を変え、「外部パワーアンプ」を使っている場合においての「もうひと手間」を解説していく。

「外部パワーアンプ」を導入したら、まずは「メインバッテリー」の見直しを!

キャパシターの一例(M&Mデザイン)。キャパシターの一例(M&Mデザイン)。

早速本題に入ろう。「外部パワーアンプ」を導入している場合の「もうひと手間」としてまずお薦めしたいのは…。

それは「メインバッテリーの交換」だ。「外部パワーアンプ」を使う場合には特に、安定的に電力供給できるか否かが音の良し悪しに大きな影響を及ぼす。ゆえにさまざまな電源強化策が有り得ているのだが、まず手を付けたいのが「メインバッテリー」、なのである。

というのも昨今は、そもそもバッテリーは酷使されがちだ。結果、電気の供給環境が以前と比べて悪くなりがちなのである。電気自動車やハイブリッドカー、さらにはアイドリングストップ車が電気的にシビアな環境であることは容易に想像がつくが、それら以外でもバッテリーに厳しい仕様となっている車種は相当に増えている。バッテリーに厳しい仕様とはズバリ、「充電制御システム」だ。

「充電制御システム」とはざっくり、オルタネーターの稼働状況をコントロールするシステムである。当システムでは、バッテリーが一定量充電されるとオルタネーターの稼働がストップされる。こうしてエンジンにかかる負荷を軽減させ、燃費を上げようとするのだ。

しかし当システムは、バッテリーには負荷が大きい。従来の充電方式ならば走行中に充電されフル充電状態を長く保てるが、「充電制御システム」が搭載されていると、放電と充電が繰り返される。ゆえに、ある程度高性能なモデルでなければすぐに寿命が来てしまったり、パワー不足にも陥りやすくなる。

バッテリーを換えると音に効く。そしてさらにもう「ひと手間」を加えると…。

というわけで車種によって状況は異なるものの、そもそも高性能なバッテリーを使う必要性は以前にも増して高まっていて、ましてや「外部パワーアンプ」を導入しているのならなおさら、より良いバッテリーを選ぶべきなのだ。メインバッテリーがバテバテであれば、良い音は望むべくもない。もしも安さがウリのモデルを使っているのなら、バッテリーを換えると音に効く。覚えておこう。

そしてそれをした上で、さらなる電源強化策を講じると、状況は一層好転する。さて、次なる手としてお薦めなのは…。それは「キャパシター」の追加だ。

「キャパシター」の追加は、「メインユニット」に対しての「もうひと手間」としてすでに紹介しているが、もちろんこれは「外部パワーアンプ」にも実に有効だ。そして当作戦は至ってスタンダード。採用率はなかなかに高い。

「キャパシター」の役目をおさらいしておこう。「キャパシター」とは、「外部パワーアンプ」が瞬間的な電力不足に陥った際に、それを補えるアイテムだ。

というのも「外部パワーアンプ」は、案外日常的に電力不足に陥りがちだ。大きな低音を鳴らす際には特にたくさんの電気が必要となるのだが、例えばロックなどを聴いていれば、一定のタイミングで常にバスドラムが打ち鳴らされる。ゆえにある程度大きな音量で聴いていると、その都度電力不足が起きていたりもするのである。

しかし「キャパシター」を導入しておけば、状況を改善できる。「外部パワーアンプ」が瞬間的に大量の電力を必要とした際に即、「キャパシター」から「外部パワーアンプ」へと電気が供給される。結果、低音に芯が出て来て、音のメリハリもついてくる。音楽を余裕を持って鳴らせるようになり、解像度も上がっていくのだ。

「安定化電源」も効果的な電源強化策の1つ。そして、別の効果も発揮可能に!?

電源強化策はまだ他にもある。その中からもう1つ、採用率が高いものを紹介しておこう。それは「安定化電源(レギュレーター)」の導入だ。

「安定化電源」とは、恒常的に電力を安定供給するためのユニットだ。クルマの中では他の電装品も使われているので、案外、安定的に電力を供給しづらい。電圧が12V以下に陥ることも往々にして起こり得る。これが音に良いはずがない。しかし「安定化電源」を導入すれば、これを接続した「外部パワーアンプ」には常に、安定的に電気を供給できるようになる。しかも電圧を高めの状態に保てるので、その点でも音質向上効果が見込める。

ちなみに言うと、カーオーディオユニットのカタログスペックは多くの場合、12Vで作動させた状態で測定されたものではない。14Vを少し上回るくらいの電圧で動かしたときの測定値となっていることが多いのだ。なので「安定化電源」を使って少々高めの電圧で電気を送り込むと、スペックどおりの性能を引き出せるようになるのだ。

ところで「キャパシター」や「安定化電源」の中には、もう1つ別の効果を発揮する機種が多い。別の効果とは、“ノイズ除去”効果だ。バッテリーから供給される電気にはなんらかの原因でノイズが乗りがちなのだが、これら電源強化アイテムを使うと、電気をクリーンにする役目も果たしてくれるのだ。

なお、これら以外にもさまざまな電源強化アイテムがリリースされるようになってきた。カーオーディオ・プロショップに行ってみると、他の効果的な方法も紹介してもらえるはずだ。興味があればご相談を。

さて、当連載はこれにて終了とさせていただく。カーオーディオでは、創意工夫を発揮させることで音質向上が可能となる。手を掛ければ掛けるほど、都度音が良くなっていく。そこのところも楽しむべきポイントの1つだ。ぜひともいろいろとお試しを♪

音質向上のための“もうひと手間”、完全解説! 第11回「外部パワーアンプシステムにおける音質向上策とは!?」

《太田祥三》

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