気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
スピード感を持った経営判断が求められる中で、範を示すような"電撃結婚""ではないだろうか。欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAが経営統合で基本合意したという。
両社の統合で、世界の販売台数で第4位に浮上する。FCAと頭文字だけではピンとこないが、クライスラーをはじめ、フィアットやアルファロメオ、ジープ、マセラティなどのブランドを抱えている。一方のPSAは、プジョー、シトロエンのほか、オペル、DSなど日本でもなじみのあるブランドを製造、販売している。
2018年にFCAは約480万台、PSAは約390万台を販売し、合計すると約870万台。1000万台を超える独フォルクスワーゲン、日産自動車・仏ルノー・三菱自動車連合、そして、トヨタ自動車に次ぐ巨大連合が誕生することになる。
新会社は、両社の株主が折半出資。会長には、FCAのジョン・エルカン会長が、最高経営責任者(CEO)には、PSAのカルロス・タバレスCEOが就く予定という。
FCAは今年5月、日産自動車の筆頭株主でもある仏ルノーに統合を提案したものの、統合に慎重な仏政府と折り合いが付かず、6月に破談になったばかりだった。それからわずか4カ月という短い期間に、次のパートナーと交渉を重ねて、婚約、結婚にまで進展した。
きょうの各紙にも「次の相手を決めた背景には、電動化など次世代技術への対応遅れを少しでも早く挽回しないと生き残れないとの危機感がある」(日経)などと、伝えている。
ルノーとFCAとの統合の可能性が消えたことで気になるのは、ルノーと日産との提携関係に何らかの影響が及ぶことだ。朝日によると「FCAが新たな縁談をまとめたことは、日産にとってはひとまず好材料」と取り上げているが、単独では生き残れなくなった今日では、一寸先は闇、である。
2019年11月1日付
●車世界4位へ合併、FCAとPSA発表(読売・2面)
●FCAとPSA合併、日産・ルノー提携に影響も(読売・10面)
●スペースジェット受注の4分の一、米で100機キャンセル(朝日・6面)
●ラストラン、競争率40倍、上野動物園モノレール老朽化で幕(産経・19面)
●消費増税1か月、家電など反動減懸念、直前、前回並み「駆け込み」(東京・3面)
●マツダ、3万3000台リコール(東京・7面)
●アイシンAWを統合へ、アイシン精機、CASE対応急ぐ(日経・13面)
●パナソニック11%減益、4~9月、企業向け事業苦戦(日経・14面)
●羽田線値下げ京急「損して得(日経・15面)
●トヨタ系5社、下方修正、今期、中国減速が逆風に(日経・19面)