【SUPER GT 最終戦】au TOM'S LC500の中嶋一貴&関口雄飛がポールポジション獲得…GT300クラスはマクラーレンの荒聖治&パロウが首位

GT500クラスのポールポジションを獲得した#36 LC500。
GT500クラスのポールポジションを獲得した#36 LC500。全 16 枚

2日、2019年SUPER GTシリーズ最終戦の予選が栃木県のツインリンクもてぎで行なわれ、GT500クラスはレクサス勢のau TOM'S LC500、中嶋一貴&関口雄飛がポールポジションを獲得した。GT300クラスは今季から参戦のマクラーレン720S GT3、荒聖治&アレックス・パロウがトップ。

いよいよシリーズ最終の第8戦を迎えたSUPER GT、今年もその舞台はツインリンクもてぎ(ロードコース)である。GT500、GT300、両クラスともこの最終戦でシリーズタイトルの行方が決まる。

最終戦は原則ノーハンデの設定。GT500クラスは実際に全15台がノーハンデだ。GT300クラス(29台)には一部、参戦レース数の関係でハンデが残っているマシンもあるが、ドライバーズチャンピオン争いに絡むマシンはすべてノーハンデである。

GT500クラスは3つ、GT300クラスは4つの陣営にそれぞれドライバーズチャンピオンとなる可能性が残っての最終決戦。ただし、GT500のランキング3番手とGT300の同3~4番手は予選でポールポジションの1点を獲らないと決勝まで権利をつなげない厳しい立場にある。今年の最終戦の予選は、最終戦らしいサバイバルな面が強調された戦いともなっているのだ。

ドライコンディションで実施されたクラス別2段階ノックアウト予選、GT500クラスではタイトル戦線生き残りをかけるランキング3番手 #23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)が支配的な流れを構築、執念で1点をゲットしそうな展開に思われた。

しかしQ2の最終盤、ここで今季の主役たちであるブリヂストン(BS)装着のレクサス勢が#23 GT-Rのタイムを上回ってくる。ポールポジションは#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴&関口雄飛/BS)が獲得し、これにランキング首位の#6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也&山下健太/BS)が続いて予選2位、ランキング2番手の#37 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)が予選4位と、レクサス勢は上位を固めた。

#36 LC500はQ1を一貴が、Q2を関口が担当してポール奪取。彼らにとっては第3戦鈴鹿でポール・トゥ・ウインして以来、今季2度目のポールポジションである。

朝の練習走行から調子は良かったという#36 LC500だが、「Q1に向けてやったこと(セッティング調整)が良くなかったみたいで、自分が(Q1を)走ったときは『ポールポジションは遠いかな』という感じでした」(一貴)。しかし、Q2に向けての両ドライバーとエンジニアらの話し合いによるセット変更が奏功、関口が1分35秒964を叩き出す。「合わせこみがうまくいきましたね。厳しいときでも『やれることは(最大限に)やろう』と、常に思っていますので」(関口)。

Q1は5位突破ながら、陣営一丸の力で手繰り寄せた“逆転ポール”。「抜けないもてぎなので、ポールの優位性は他のコースより大きい」(関口)。チャンピオン争いからは残念ながら脱落している#36 LC500だが、最終戦で今季2勝目=今季2度目のポール・トゥ・ウインを目指す。

#23 GT-Rは予選3位、タイトルレースからの脱落が決定した。これでドライバーズチャンピオン争いはレクサス勢2騎に絞られ、7点リード、決勝2位でも自力戴冠となる#6 LC500(予選2位)と、それを追う#37 LC500(予選4位)のマッチアップだ。

予選Q2の最後で#6 LC500の山下が1分35秒999をマークし、ライバル#37 LC500の前に出たことは大きいだろう。ポイントや展開面を考えてもそうだが、勢いという部分で#6 LC500陣営が得たものは小さくない。山下がタイムを出した瞬間、ピットウォールのコマンドポストでは僚友の大嶋と脇阪寿一監督が喜びと気合を見せていた。このまま“逃げ切れる”か、注目される(チーム部門王座も#6と#37のどちらかがゲットする)。

今回のGT500クラス予選5位は#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&B.バゲット/BS)で、ホンダ勢最上位。

なお、2009年F1王者で昨季からGT500にレギュラー参戦してきたジェンソン・バトン(#1 RAYBRIG NSX-GT/BS)は、このレースを最後にSUPER GTでの自身の活動を終えると表明済み、この日は会見も実施された。昨季つかんだタイトルの防衛は叶わなかったが、SUPER GTでの自身ラストランでバトンはどんなパフォーマンスを演じるのか、相棒の山本尚貴(今季F1日本GPのフリー走行に出走)とともに、決勝ではファンから熱い視線が注がれることになりそうだ(#1 NSXは予選11位)。

GT300クラスでは、今季から参戦を開始した「マクラーレン カスタマー レーシング ジャパン」の#720 McLaren 720S(荒聖治&A.パロウ/ヨコハマ=YH)がついに熟成なったようで、初ポール獲得を達成。Q2では、今季スーパーフォーミュラでもポールを獲ったり優勝したりしている赤丸急上昇中の気鋭パロウが素晴らしい快速ぶりを披露した。ルマン24時間レース総合優勝経験を誇る大ベテランの荒(Q1担当)も「とにかく彼は速いんで」と絶賛するパフォーマンスだった。

GT300クラスの予選2~7位は以下の通り。

2位 #56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴&S.フェネストラズ/YH)
3位 #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥&菅波冬悟/BS)
4位 #11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸&安田裕信/ダンロップ=DL)
5位 #55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/BS)
6位 #33 エヴァRT初号機 X Works GT-R(S.トン&道見真也/YH)
7位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)

上記のうち、#4 メルセデスAMGと#56 GT-Rはポールポジション獲得がドライバーズチャンピオン争い生き残りの条件だったが、それぞれ予選7位と2位、これで戴冠の可能性は潰えた(チーム部門王座獲得の可能性は、ともにわずかながら残る)。

ドライバーズポイントランキング首位の#55 NSXは予選5位。ランキング2番手の#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)が予選17位。ドライバーズチャンピオン争いはこの2陣営に絞られたが、#55 NSXには14.5点のリードがあり、決勝5位以内なら自力戴冠、かなり有利であることは間違いない。追う#96 RC Fは最低限、決勝2位が必要。優勝した場合でライバルの6位以下、自身2位ならライバルの11位以下が条件となる。

(*本稿における数字的条件等はすべて手元計算)

SUPER GT最終戦もてぎ、決勝はシーズン最短250kmの“快速設定戦”だ。53周のタイトルマッチレースは明日(3日)の午後1時30分過ぎに開戦する予定。
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《遠藤俊幸》

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