【カワサキ KLX230 試乗】よくぞ出してくれた!ナンバー付き“正統派”オフ車…青木タカオ

KLX230
KLX230全 23 枚

東京モーターショーのカワサキブースに展示してある新型『KLX230』は、新設計の空冷4ストローク232ccSOHC2バルブ単気筒エンジンと新設計のペリメターフレームを、モトクロスレース車である「KX」を想起させるデザインでスリムにまとめた新しいデュアルパーパスモデル。

【画像全23枚】

乗ってみると、コンパクトで軽量な車体と扱いやすいエンジンで、ビギナーにも親しみやすいフレンドリーな乗り味であることがすぐにわかる。

開発責任者である川崎重工業株式会社 モーターサイクル&エンジンカンパニー 技術本部 第二設計部 第三課 和田浩行さんにそれを伝えると、「誰もがオフロードライディングを楽しめるようにと開発しました」と、まさに狙い通りといったところでニンマリ。

さらに、エンジン設計を担当した城崎孝浩さんは「低中回転域から力強いトルクを発揮し、シンプルな構造が、高い信頼性を実現しています」と、自信を見せる。
※崎は立つ崎(たつさき)

ビギナーからミドルエキスパートまで

KLX230KLX230
扱いやすさ重視だが、オフロードをファンライドするにはうってつけで、サスペンションが容易く底付きするようなこともないから夢中になって汗をかいてしまう。これは開発を指揮した和田さんが、歴代のKDXやKLXを乗り継いできた筋金入りのオフロードバイク好きだからで、ダートでの走破性を重要視したからだ。

「ビギナーだけでなく、ミドルエキスパートにも満足してもらえるよう開発しました。オフロードライディングでの操縦安定性を実現するために、サスペンションストロークや最低地上高をしっかり確保し、KXシリーズで培った技術を踏襲し、コンパクトなペリメターフレームを新開発。エンジンはスムーズな特性とし、どこかが突出しているのではなく車体パッケージ全体のバランスに優れるよう設計しています」(和田さん)

シート高は885mmで、身長175cm/体重64kgの筆者だと、片足だけを地面におろしてもツマ先立ちになる。ただし、車体重量は134kgと軽く、取り回しは容易い。

「そもそもオフロードモデルなのに、車高が低いのはカッコよくない。走破性重視でサスストロークを優先するべき」と筆者が意見すると、和田さんもそれに賛同してくれた。

大型ヘッドライトで暗い夜道もしっかり照らす

KLX230KLX230
空冷エンジン搭載車ながらシュラウドがあり、テールセクションが跳ね上がったスタイルもアグレシッブ。デザイナーの小林 稔さんに伝えると「アグレッシブなイメージはKXシリーズ譲りです。オフロード走行時にはライダーが積極的に前後左右に体を動かしますが、そうした動きで引っかかりがないよう継ぎ目がない車体としています」とのこと。

また、ヘッドライトが大きい理由を聞くと「インドネシアなどアジア諸国で使われることを考えると、かなり暗い道を走ることを考慮しなければならず、光量を確保するために大型化しました」と和田さんが教えてくれた。これは日本のカントリーロードや林道で日が暮れたときもありがたい。

舗装路を走ってもフロント21インチ、リヤ18インチの足まわりはヒラヒラと軽快感があり、カーブを駆け抜けるのも機敏。ハンドル切れ角も多く、市街地走行も得意とするのは想像に容易い。カワサキ初となるデュアルパーパスABSを採用し、トランスミッションは快適なクルージングを可能にする6速としている。

シートも座面が広めで、クッションも厚く快適。お尻がすぐに痛くなるトレールバイクの難点を知り尽くした人が開発したことが、こういった点からもわかる。ギザギザの歯が付いたステップにラバーはなく、オフロードブーツで乗ることも考慮。

かつてはよりどりみどりだった200~250クラスのナンバー付きオフロードモデルだが、いま新車で買える機種は少なく『KLX230』の新発売は待望だった。「闘う4スト」の謳い文句で初代がデビューした「KLX」だが、新型230は競技することより遊んで楽しむことを優先したスタンダード的なモデル。税込みで50万円を切る価格を実現しているのも素晴らしい。「よくぞ出してくれた!」と、カワサキに言いたい。

KLX230と筆者(青木タカオ)KLX230と筆者(青木タカオ)

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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