ゼンリン、MaaSや自動運転に向けた次世代地図データベースを出展…ITS世界会議2019

ITS世界会議2019に出展したゼンリンのコーナー
ITS世界会議2019に出展したゼンリンのコーナー全 9 枚

ゼンリンは、10月にシンガポールで開催された「第26回ITS世界会議2019」のJAPAN PAVILION内に出展。MaaS向けソリューションとして地図データベース「Mobility based Network」を初公開した。同社がMaaS向けとしてこのデータベースを公開するのは初となる。

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「Mobility based Network」が実現するのは、移動の可視化によって鉄道・道路・歩行者ネットワークなどを1つの空間上に表現できるようになるもの。ゼンリンはこの活用により、「あらゆるモビリティ用途に最適化された交通ネットワークにより、各モビリティの接続点となる交通結節点が一元的に共有可能となる」と紹介している。また、MaaSオペレーターが利用しやすいサービス構想を提案するほか、その各事業者への地図情報の導入事例も紹介した。

MaaS事業推進担当の藤尾秀樹氏は「各交通機関が求められているのは、交通機関を利用した人が下車して、そこから次の交通機関までの案内をどうするか。ゼンリンは駅構内などのデータを既に整備しており、人が進むべき経路を案内できるほか、バリアフリーを考慮した安全なルートはどう進むべきかが案内できる。これはゼンリンならではの強みであって、それが交通結節点での橋渡しのような役割を果たせるようにしていきたい」と話す。

新たなデータソリューション「ZGM AUTO」を新たなビューワーを使って紹介するコーナーも用意した。これは2019年に量産化を実現した自動運転向けの3次元高精度地図データベースで、日本国内ではダイナミックマップ基盤が自動車専用道路を中心に2万9000kmを整備済み。ゼンリンはこの地図データベースを視覚的に見やすく表現できるようビューワーを開発。様々なアングルから見たい部分をクローズアップできるなど、その使いやすさが感じ取れた。

また、MaaSの社会実装への貢献に向けた3つの取り組み事例も紹介した。一つめはWILLERS.PTE.LTDの観光アプリケーション「WILLERS アプリ」で役立っているゼンリン製地図データの紹介。既に北海道の釧路を中心とした道東と、京都丹後鉄道沿線エリアで運用されており、利用者はルート内の体験コンテンツを検索からそのままダイレクトに予約、決済ができる。ユニークなのはカヌーなどのアクティビティや、iROADといった超小型モビリティの利用料金も対象となっていること。煩わしい予約決済は一切なく旅が楽しめるのだ。

二つめはカカクコムが運営する地域情報サイト「ちくわ。」と地図データの連携を紹介したもの。藤尾氏によれば「エリアはまだ首都圏を中心に限られるが、今後は各地域の情報誌との連携を深め、その情報が基点となってMaaSへの展開も可能になる。情報が発信されればおのずと地図も使ってもらえるようになり、そこでゼンリンとしてもインセンティブを支払ってもらうビジネスモデルになる」と説明した。

三つめは、東京大学柴崎研究室との地図データ活用による“人流分析”の紹介だ。これは様々なシーンで人の流れがどう変化するのかを把握する研究で、平日と休日とでどう人の流れが変化するか、さらにはコミュケなど桁違いの人の移動が伴う場合ではどのような対応をすべきかがわかるようになる。人の流れは携帯電話の発着信から把握。このデータがあれば、仮にオペレーションミスで1カ所で人の滞留ができた時、AIが最良な誘導を提案することも可能になるというわけだ。

《会田肇》

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