【マツダ2 新型試乗】エレガント方向に洗練された走りと内装…島崎七生人

商品改良のタイミングで改名

エレガント方向を目指したマツダ2

GVC Plusとの組み合わせで全体のバランスが向上

マツダ2 XD L Package 4WD
マツダ2 XD L Package 4WD全 12 枚

商品改良のタイミングで改名

『デミオ』改め『マツダ2』。昔ならエンブレムを323(『ファミリア』)や626(『カペラ』)に付け替え“欧州仕様”の気分を味わった、その手間が省けるようになった……と言えなくもない。ホームグラウンドが日本だと、まだ人との会話でも、つい『デ……』と口をついて出る。

『マツダ3』がフルチェンジのタイミングと改名が一致させられたのに対し、この『マツダ3』と『マツダ6』は商品改良のタイミングでの車名変更となったのはご承知のとおり。『マツダ2』でいうと、いわゆるフェイスリフトが実施され、ヘッドランプはこれまでのパッチリとした目つきが、切れ長の大人びた眼差しに。

エレガント方向を目指したマツダ2

マツダ2 XD L Package 4WDマツダ2 XD L Package 4WD
そのランプの下に沿うように伸ばされたメッキのシグネチャーウイングと、『マツダ6』にも共通する細かなパターンを配した彫りの深いグリルや、メッキのバーが新しいアクセントになっている。新デザインのアルミホイールも、デザインといい塗装色といい、落ち着いたエレガント方向を目指したものだということが見た瞬間にわかる。

インテリアでは、まず目にとまるのはシート表皮が一新された点。試乗車は「レザー・ブルーグレー/グランリュクス・オフブラック」と呼ぶコンビだったが、ほかにも色、柄、素材感を含め、全体に渋味のかかった取り揃えになった印象。もともとインパネ表皮やドアトリム部などの上質な仕上がりぶりはカテゴリー中トップクラスだったが、今回の改良ではさらに磨き込まれたといったところだ。

マツダ2 XD L Package 4WDマツダ2 XD L Package 4WD
改良といえばシートも構造自体が見直されたとのこと。座ってみると、確かにジワッと良さが実感できる。運転姿勢を自然に保持してくれるところがよかった。「L Package」であれば標準で運転席がパワーシートとなり、しかもメモリー機能付きだから、家族でクルマを共用する場合などこれは便利な機能だ。同仕様にはステアリングヒーターもつく。

ほかに装備では「マツダ コネクト」が“Apple CarPlay”“Android Auto”対応となり利便性を向上させたが、全体の操作ロジックは、もっとやりやすくしてほしいと思う場面がまだある。

GVC Plusとの組み合わせで全体のバランスが向上

マツダ2 XD L Package 4WDマツダ2 XD L Package 4WD
試乗車は「XD L Package」の4WDモデル。搭載エンジンは1.5リットルのディーゼルターボで、今回はとくに改良の特記事項はないようだが、サスペンションの改良、GVC Plusとの組み合わせがクルマ全体のバランスを向上させ、より洗練された走りへと進化した印象をもった。

4WDは1250kg(前:810/後:440kg)だが、その車重と低速トルクの出方とがバランスし、発進、加速も実にスムースで無理がなく、車内でのエンジン音も気にならない。乗り心地も速度を問わずしっかりしたダンパーの効きが心地よく、GVC Plusの効力でシーンを問わずクルマの挙動が穏やかに感じられる点にも好感をもった。

今回は100kmに満たない試乗だったが、市街地、渋滞、自動車専用道などパターンを織り交ぜた車両返却時の実燃費は18.2km/リットルだった。

マツダ2 XD L Package 4WDマツダ2 XD L Package 4WD

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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