MaaS受容性調査(1):“MaaS”の認知度

MaaS受容性調査(1):“MaaS”の認知度
MaaS受容性調査(1):“MaaS”の認知度全 2 枚

今、様々な業界で注目を集めている「MaaS」という概念は、一般的にはどのくらい知られているのでしょうか。株式会社イードが実施した調査より、MaaSの認知度を紹介します。

イードでは、生活者の視点から「必要とされているMaaSとは何か」を探るため、アンケート調査を実施しました。今後数回にわたり、調査結果の一部をご紹介していきます。この記事では、その中から「MaaSの認知度」について紹介します。

MaaSとは

MaaSとは、“Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)“の略です。「マース」と「マーズ」、2つの読み方がありますが、今後「マース」に統一されていくのではないかと思われます。

MaaSについて、国土交通省では以下のように定義しています。

MaaSは、ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。
出典:MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス) について - 国土交通省 国土交通政策研究所

初見ではすぐに理解することが難しい、やや複雑な概念ではないでしょうか。またMaaSは、人や団体によって定義が違ったり、「広義のMaaS」「狭義のMaaS」(※注)があったり、多様な解釈がある概念でもあります。

広義のMaaS
新しい交通手段を含め、ある地点からある地点への移動をシームレスにつなぐサービス(先の国土交通省の定義は「広義の定義」の1つ)

狭義のMaaS
複数の(既存の)交通手段を、1つのアプリケーション上で検索/予約/決済できるサービス

MaaS受容性調査

現在MaaSは、事業者や行政の理念先行で進められています。しかしサービスとして成立するには、実際に利用する人が“どのように価値を感じるか”が重要なポイントとなってきます。株式会社イードでは利用者の視点に立ち、「生活者に求められるMaaSとは何か」を考えるため、「MaaS受容性調査」を企画・実施しました。ここではその結果の一部を紹介したいと思います。

※今回は、都市型MaaSの受容性を明らかにするため、東京23区居住者を対象にアンケートを行いました。

手法:インターネットアンケート(アンケートパネルに配信)
回答者条件:東京23区に住む15-79歳男女
サンプル:1998s
サンプル構成:23区在住者の性年代構成比と同じになるように回収

MaaSの認知度

「あなたはMaaS(Mobility as a Service)を知っていますか」という質問をしたところ、以下のような結果となりました。

MaaSの認知度(回答者全体)

「知っている」と「聞いたことはある」を合わせた認知度は約2割。「知っている」だけを見ると、1割にも達していません。「MaaS」という言葉や概念は、まだ一般には浸透していないと言えるでしょう。

MaaSの認知度(性年代別)

性年代別に見ると、全体的に女性より男性の認知度が高く、さらに男性では年代が若いほど認知度が高いことが分かります。特に20代男性は4割以上が知っていました(「聞いたことはある」を含む)。ビジネスへの関心度、情報収集の方法、ITリテラシーなどが背景の要因として挙げられそうです。

このように、現状ではまだ認知度が低いMaaSですが、今後、一般の生活者にどのように浸透していくのか(もしくは浸透しないのか)、株式会社イードでは、アンケート調査を通じてその動向を継続的に見ていきたいと思います。

次回は、「23区における電車の重要性」についてご紹介したいと思います。

MaaSレポート販売のお知らせ

株式会社イードでは、生活者の視点から「必要とされているMaaSとは何か」を探るため、アンケート調査を企画・実施しました。初回となる今回の調査では、都市型MaaSをテーマに、東京23区在住者を対象としました。この調査結果をまとめたレポートを販売いたします。また、今後、地方型MaaS、観光型MaaSをテーマにした調査も行う予定です。

なお、本調査結果の一部は、第46回東京モーターショー2019で開催されたシンポジウム「CEATECリレーカンファレンス 生活者が求めるMaaSとは何か」(主催:一般社団法人 日本自動車工業会、共催:株式会社イード)で紹介いたしました。

このレポートにご興味のある方は、以下のボタンから、弊社のWebサイト(iid.co.jp)で価格などの詳細をご確認の上、お問い合わせください。

MaaSレポートの詳細を確認

本調査についての他記事はこちら
MaaS受容性調査(2):東京23区で駅徒歩10分圏内に住んでいる人の割合は…
MaaS受容性調査(3):東京23区で自家用車は必要ない?

《三浦志保》

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