「MaaS受容性調査」東京23区“生の声”から新たな気づき

「MaaS受容性調査」東京23区“生の声”から新たな気づき
「MaaS受容性調査」東京23区“生の声”から新たな気づき全 4 枚
自動車ニュースサイト「レスポンス」などを運営するイードは、大規模MaaS市場として世界的にも注目されている、東京23区の「MaaS受容性調査」を2019年10月に実施し、報告書にまとめた。

今回のMaaS需要性調査のMaaSの定義は"広義"の定義だが、狭義のマルチモーダルサービスについても聞いている。

この報告書を見た自動車メーカーや自治体のMaaS関連担当者は「MaaS事業を検討している。何をすればよいかイメージが湧いた」「予測はあった。実際のデータにより裏付けできた」「意外な点もあり、よい気づきになった」などの声を寄せている。

「MaaS受容性調査」報告書について説明するセミナーは12月20日開催。詳細はこちら。

◆MaaSの“生の声”を調査したものは少ない


「MaaS受容性調査」の特徴は、アンケート調査を通して、東京都在住の男女15~79歳の男女の"生の声"を調査している点だ。すでにいくつかMaaS関連の調査報告書が出ているが、事例紹介やマーケット規模などをまとめたものが多いのではないだろうか。

対象としたサービスは次の9つだ。配車サービス、自転車シェア、カーシェア、マルチモーダルモビリティサービス、オンデマンドバス、パークシェア、自動車サブスクリプション、ライドシェア、電動キックボード。2000年頃から新たにはじまり、国内外でサービスインしているモビリティサービスを対象とした。

MaaSの認知度、利用状況、利用意向、利用したくない理由、自動車の保有意向、既存の公共交通の利用状況、そして電子決済の利用状況や種類についても聞いている。

公共交通に関しても、鉄道、バス、タクシーの利用頻度にはじまり、通勤の移動手段、近場・遠出の移動手段も聞いていて、ユニークな情報も多い。

自動車の保有意向に関しても、今は保有していないが「意向あり」と答える人もある一定程度いるため、自動車メーカーにとっては朗報だった。

◆東京では「サブスク」のニーズが予想以上に高い


調査を担当した株式会社イード5G/MaaSビジネス開発部コンサルタント吉田凌氏は「非常に興味深い点がいくつかあった。調査をしてみないと分からないことも多い」と話す。中でも「配車サービスに月額で払える金額」について、予想を超える人が「3000円以上払ってもよい」と回答している点だ。そして有料で使用したいと回答した人は約半数に上る。MaaSの定額制(サブスクリプションモデル)は事業性が低いと言われるが、東京23区という地域においては、可能性があることが分かった。

◆決済手段は掛け合わせニーズが高い?


また決済手段についても考察すると多方面から気付きを得られる。たとえば、日本は現金を好む国民性であると言われているが、東京においても同様に現金を好む傾向にある。そしてSuicaやPASUMOなどの交通系ICカードに対しても支持が高い。したがって現金でチャージできる決済サービスに対してニーズが高いことなども言える。

◆MaaS関連、自治体、公共交通、海外のプレイヤーも


この東京23区の「MaaS受容性調査」は新規にMaaS関連の事業を検討している企業をはじめ、MaaSへの対応に迫られている公共交通や自治体、さらには海外のプレイヤーにも参考になるだろう。

12月20日に「MaaS受容性調査」報告書を解説するセミナーが開催されます。詳細はこちら。

《楠田悦子》

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