ジャガーのEV『 I-PACE』、航続8%延長…無線通信でアップデート

EVレーシングカーのノウハウを導入

バッテリーや回生ブレーキを改良

ソフトウェアのアップデートは無線通信で

ジャガー I-PACE と I-PACE eトロフィー
ジャガー I-PACE と I-PACE eトロフィー全 8 枚

ジャガーカーズは12月9日、ジャガー初の市販EVの『I-PACE』(Jaguar I-PACE)にソフトウェアの無償アップデートを欧州で行い、航続を延長すると発表した。

画像:ジャガー I-PACE

ジャガーI-PACEのEVパワートレインは、モーターを前後アクスルに搭載し、4輪を駆動する。2個のモーターは合計で400psのパワーと、71kgmのトルクを引き出す。前後重量配分は、50対50と理想的なバランスを追求した。強力なモーターの効果で、I-PACEは0~100km/h加速4.8秒のパフォーマンスを実現する。

バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は90kWhと大容量だ。1回の充電での航続は、最大で470km(WLTP計測モード)の性能を備える。DC100kWの急速チャージャーを使えば、バッテリーの80%の容量をおよそ40分で充電可能。100km走行分であれば、およそ15分で充電できる。家庭用の出力7kWの ACウォールボックスを使用した場合、10時間で充電できる。

EVレーシングカーのノウハウを導入

ジャガーカーズは今回、このI-PACEにソフトウェアの無償アップデートを欧州で行い、航続を延長すると発表した。ジャガーカーズは2018年12月から、世界初の市販車ベースのEVによるワンメイクレースシリーズを、「フォーミュラE」に合わせて開催している。

このワンメイクレースに使用されるEVレーシングカーが、ジャガー『I-PACE eトロフィー』だ。同車は、ジャガーI-PACEベースのEVレーシングカーとなる。今回のソフトウェアのアップデートには、このI-PACE eトロフィーから得られたノウハウを導入している。ジャガー I-PACEジャガー I-PACE

バッテリーや回生ブレーキを改良

アップデートでは、ECOモードで走行する場合、フロントモーターとリアモーター間のトルク配分を変更することにより、効率を引き上げた。システムは引き続き、AWDでトラクションを発揮する。

温度制御の面では、熱管理制御を改良した。これにより、アクティブなラジエーターベーンシステムをより活用し、ベーンをより頻繁に閉じて、空力性能を向上させることが可能に。バッテリーはアップデートにより、ドライバビリティや耐久性、パフォーマンスに影響を与えることなく、従来よりも少ないバッテリーの充電状態で実行できるようにした。

また、バッテリー残量が充分ある場合、回生ブレーキはエネルギーをより効率的に回収し、航続を最大化するために、低い走行速度でエネルギー回収量を増加させる。航続の予測計算アルゴリズムの変更により、さらに正確な航続可能値が表示できるようになった。

ソフトウェアのアップデートは無線通信で

なお、ソフトウェアのアップデートは、無線通信で行われる。このテクノロジーは、「Software-Over-The-Air(SOTA)」と呼ばれるものだ。最新のジャガー車には、リモートでアップデート情報を受信できる14の独立モジュールを搭載している。

ドライバーが自宅で寝ている間や遠方にいる際に、データをダウンロードする。これにより、アップデート情報が次々と車両に転送され、迅速に、またディーラー店舗を訪れる必要もなく、車載ソフトウェアの更新が行える。

新しいソフトウェアにアップグレードされた後も、最大で470kmの航続の公式数値に変更はない。ジャガーは、I-PACE eトロフィーから得られたノウハウにより、リアルワールドの状況において、I-PACEは最大20km、率にして8%の航続延長が可能になる、としている。

《森脇稔》

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