【INDYCAR】日本のトップシーンから北米最高峰へ…アレックス・パロウ、“with チーム郷”での2020年シーズン参戦が決定

2020年はインディカー・シリーズを戦うことになったアレックス・パロウ(写真は2019年のスーパーフォーミュラ)。
2020年はインディカー・シリーズを戦うことになったアレックス・パロウ(写真は2019年のスーパーフォーミュラ)。全 7 枚

2019年のスーパーフォーミュラで新人ながら優勝を飾るなど活躍したアレックス・パロウが、来季2020年はNTTインディカー・シリーズに参戦することとなった。パロウは19年のSUPER GT/GT300クラスで共闘したチームゴウとともに北米最高峰シリーズに挑む。

チームゴウモータースポーツ(チームゴウ)が12月19日付で発行したプレスリリースによれば、チームゴウは旧知の関係にあったというNTTインディカー・シリーズ参戦陣営、デイル・コイン・レーシングとパートナーシップを結び、2020年の同シリーズに挑戦することとなった。エントラント名は「Dale Coyne Racing with Team Goh」、ドライバーにはアレックス・パロウを起用する。

パロウはスペイン出身の22歳。2019年はTCSナカジマ・レーシングから全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に参戦し、新人ながら1勝、ポールポジションを3回ゲットするなどの速さを発揮して、最終戦までタイトルを争う活躍を演じた。シリーズ3位で、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。また、SUPER GTシリーズ/GT300クラスにはシリーズ初見参だったマクラーレン720S GT3で荒聖治と組み参戦、最終戦もてぎではポールポジションを獲得と、やはり抜群のスピードを披露している。

そしてパロウと荒のマクラーレンを走らせたのが、チームゴウである。“チーム郷”と記した方が馴染みがいいかもしれないが、その名はかつて2004年に荒らを擁してルマン24時間レース総合優勝を成し遂げた伝説的なもの。2019年のGT300で久々、表舞台にチームゴウの名が登場し、続く2020年は既存陣営との共同プロジェクトというかたちで北米最高峰シリーズ挑戦へと舵を切ることになった。

パロウは2019年のSF富士戦で初優勝を飾った(左から2人目がパロウ)。パロウは2019年のSF富士戦で初優勝を飾った(左から2人目がパロウ)。

パロウはインディカー・シリーズ公式サイトにて「アメリカで、インディカーでレースすることになり、とてもエキサイトしている」と、初参戦決定の喜びを語っている(テスト経験は既にあり)。

なお、デイル・コイン・レーシング陣営の他の参戦陣容等、詳細は年明け早々に明らかになる見通しだ(19年の同陣営は“with”チームの有無等、多岐な参戦形態だった)。

パロウは2019年のSF富士戦で初優勝を飾った。パロウは2019年のSF富士戦で初優勝を飾った。

一概には括れないものの、日本のトップシーンから北米最高峰インディカーへのドライバー進出、という意味では、2季連続の“大物異動”にもなった。パロウの先達的な位置に、2017~18年にSF(17年)~SUPER GT/GT500クラス(18年)を戦い、19年はインディカーでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したフェリックス・ローゼンクヴィストがいるからだ。

(*19年のSFを3レース戦ったパトリシオ・オワードも来季20年はアロウ・マクラーレンSP陣営にてインディカーを戦うが、18年インディライツ王者の実績を有するなどする彼の場合は、ローゼンクヴィストやパロウとは明確に経緯が異なると考えるべきだろう。また、ピエトロ・フィッティパルディは近年、SFやインディカー、それにWECやDTM、F1テスターを複雑に“行き来”するようなキャリア形成になっており、20年はSF再参戦へ)

パロウと荒聖治のコンビで2019年のGT300クラスを戦った#720 マクラーレン。パロウと荒聖治のコンビで2019年のGT300クラスを戦った#720 マクラーレン。

日本から北米最高峰へ、というようなかたちが今後、ひとつのトレンドとなっていく可能性もあるのか? スタードライバーの流出が続くのは日本のトップシーンにとっては残念な面もあるが、F1やF2といった欧州地盤のフォーミュラシリーズのみならず、北米のオープンホイール(フォーミュラ)シリーズとも交流が活発化するのは望ましい状況といえるだろう。

2020年のインディカー・シリーズは全17レースの予定で、3月に開幕する。

パロウは2020年のインディカー・シリーズを「DALE COYNE RACING WITH TEAM GOH」で戦う。パロウは2020年のインディカー・シリーズを「DALE COYNE RACING WITH TEAM GOH」で戦う。

《遠藤俊幸》

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